自動運転トラクターとAIが変える農業の未来

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タラニスは、農業に自動化とAIソリューションを活用する業界トレンドの一部を担っている。シュラムは「最初の自律走行車が実はトラクターだというのは素晴らしいことだ。万一の場合に備えてプロが運転席に乗っているものの、GPSを装備した自動運転トラクターは自動で農作物を植え、農薬や肥料などをまき、作物を収穫することができる。

自動運転トラクターは、タラニスが作成しているものと同じような指示ファイルを使い、必要なときだけ雑草や虫、病気に対する農薬をまいている」と語った。

シュラムによると、ほとんどの農業従事者は同社の技術に前向きな反応を見せている。彼はその理由には同社のプラットフォームが視覚的なこと、これほど大きな農地を管理・追跡することの難しさを農業従事者が理解していることがあると考えている。問題を管理し防ぐにはタイミングが全てだ。しかし他の新たな技術と同様、必要とされる信頼性を構築するにはいくつかシーズンを経る必要がある。

「トラクターやかんがいシステム、視程範囲を超えたドローンシステムでは、動作の自動化がさらに進むと思う。より小さなゾーン単位で農地を管理していくことで、各農地のニーズが正確に満たされるようになるだろう。農作物に影響を与える可能性のある将来の変化を予測することは難しい。タラニスのような農産物管理システムを使えば、農業従事者は種の選定などの決断をリアルタイムで下すことができ、種まきシーズン前に計画する必要はなくなる」(シュラム)

今後の計画は?

タラニスは現在、より多くの植物病害や雑草・虫の種類を特定するため、大きな商業作物のデータベースを自動化・拡大することに注力している。同社は土壌からより多くのデータを得るため、かんがいシステムやトラクターを利用するなど、利用可能なセンサーのデータストリーム数を増やすことに取り組んでいる。

同社の次のステップは、農作物保険会社と協力し、農業従事者の支払請求や、保険会社の請求内容審査を支援することだ。シュラムは、銀行や農園の貸し手がタラニスを監査ツールとして活用し、全体的なプロセスを農業従事者と保険会社の両方にとって合理的なものにすることを望んでいる。

十分な情報と範囲がカバーされれば、タラニスは生産者と商品取引業者の生産物取引をよりスマートに支援できるようになる。同社は最終的に、世界中の全ての農地の収穫量と収益が大きく向上することを望んでいる。

翻訳・編集=出田静

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