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AIベンチャー海外進出の「泥臭い」リアル


聞き取れる英単語だけでコミュニケーション

2016年11月に始まった海外進出の基盤づくりは試行錯誤を続けながら、2017年1月に登記作業、3月に登記完了と進み、外木は4月、シンガポールに発ちました。5月には、現地で開かれた東南アジア最大級のイノベーション展示会「Innovfest Unbound Singapore 2017」に出展することになり、私も初めてシンガポールに4日間滞在しました。

土地勘もないまま、当時シンガポールで普及していた配車アプリGrabを使いながら、事務所を見に回ったり拠点を立ち上げたりと準備に走り回りました。窓から見えるのは洗練された街並み。けれど、楽しむ余裕はまったくありませんでした。この国で仕事を立ち上げたからにはなんとか生き残っていかなければ、と相当気負っていました。

Innovfestの目標は、シンガポールで政府系案件を受注するきっかけを作ることでした。

「打てる手は全部打つぞ」と意気込んでいた外木は、情報通信メディア開発庁の職員とのミーティングに臨んだり、株主の紹介で現地ビジネスの主要人物に会ったりと、会場を飛び回っていました。

ブース対応を担当していた私は、期間中に名刺を200枚集めるという目標を立てました。「ABEJA Platform, the world’s most progressive AI technology for your business」と書かれた看板をブースの横に立て、つたない英語で看板の文句を、ただただ繰り返しながら呼び込みを続けました。ブースに来た人の質問も正直あまり聞き取れませんでしたが、聞き取れる単語だけを頼りに答えていました。

2日間の展示会で、200人以上の名刺を手に入れました。小さいですが、初めて海外で出せた成果です。張り詰めていた気持ちが、フッとほどけたのを覚えています。


Innovfestに合わせた出張で、社長の岡田陽介(左端)、外木(真ん中)とで食事会をしました=2017年5月

【ベンチャーの海外進出Tips】

1. 海外事業には経営者自らがコミットする
日本との兼務ではなく、海外事業での迅速な意思決定を優先する環境作り

2. 並走できるパートナー探しが肝
ベンチャーの環境とスピードを理解し並走してくれるパートナーを探す

3. 新規事業は反対を気にしない覚悟で
新しい挑戦はいつも反対する人がいて当たり前、やると決めたら覚悟が大切

文=夏目萌

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