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「洗濯、掃除、食器洗いはルーティーンワークですが、料理は同じことの繰り返しでは成立しません。大変なのは、献立を考えて冷蔵庫にある食材で料理をする、考える家事です。それまでの経験をいかして、毎日家事をしている人の負担を減らすことができるのでと思うようになりました」

2017年、矢本はメルカリで出会った石川洋資と共に「10X」を創業。その年には献立アプリ「タベリー」をリリース。赤坂優、家入一真、佐藤 裕介などの個人投資家から5600万円の資金調達を実施した。

現在約数十万人いるタベリーのユーザーは、一度に3日分の献立を作ることがほとんどだという。例えば、コロッケを作った翌日に肉じゃがを提案するなど、同じようなメニューが続くことのない仕組みも、日常的に家事をしてきた矢本ならではの発想だ。

「しかし献立を作り、買い物リストを作った後には、買い物に行く必要がある。レシピが役立つのは食材がキッチンに揃ってからです」

今回のアップデートで、買い物リストにある食材を近所のネットスーパーへオーダーすることが可能になった。

西友のネットスーパー、イトーヨーカドーネットスーパーとデータを共有することで、ユーザーは店舗ごとに異なる価格や、荷物の受け取り可能時間を比較して注文をすることができる。現在、その他大手小売や生協とも協業ができるよう、話を進めているという。

新サービスローンチのタイミングに合わせ、10Xはシリコンバレーを拠点とするDCM Ventures、また、一般社団法人RCF時代に学んだ河合などから総額2.5億円の資金調達を発表するが、投資家が注目したのは「世界初」のサービスであることだけではないだろう。

日本で15兆円と言われる生鮮食品市場は、EC化が現状2%ほどとポテンシャルが大きい分野であるにも関わらず、オンラインサービスがユーザーに浸透していない。

文=守屋美佳

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