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メキシコ大統領のロペスオブラドール氏(Carlos Tischler / Gettyimages)

メキシコ大統領のアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドールは先週、薬物取締法の刷新に向けての計画を明らかにし、米国もこの動きに参加するよう求めた。

2019年から2024年に向けた国家開発計画でロペスオブラドールは、違法薬物の所持や使用を脱犯罪化し、薬物の取り締まりに用いられている資金を、薬物中毒患者の治療に用いるプランを明らかにしている。

ロペスオブラドールは、ドラッグを合法化することは望んでいないが、政府が薬物犯らに適切な医療ケアを与えることを検討すべきだと述べている。

声明で彼は、これらの問題の解決にはメキシコと米国間の連携が必要だと述べた。この2国においては過去10年以上に渡る麻薬戦争の結果、推定15万人が組織犯罪で命を落とし、4万人近いメキシコ市民が行方不明になっている。

NPO団体のドラッグ・ポリシー・アライアンスの代表者は、大統領の考えを支持し、「薬物の取り締まりが暴力や政治の腐敗の原因になっている」と述べた。

「薬物ポリシーの改革に向けて、国際的な取り組みを始動させる時が来た。人々の人権を尊重しつつ、この動きを推進していく」と彼らは主張している。

ニューズウィークが掲載した記事では、昨年10月に国際ドラッグ政策コンソーシアム(International Drug Policy Consortium)が発表したレポートで、過去10年間の世界の麻薬戦争の結果、薬物犯罪に絡む死者が145%増加し、違法薬物の使用量も空前のレベルに達したことが指摘された。

薬物のオーバードースによる死者数も急増しており、米国では2017年だけで7万1000人が亡くなったという。

5月12日の母の日を前に、メキシコシティでは薬物関連の組織犯罪で、子供や兄弟を亡くした人々が集い、政府に対し抗議するデモが開催された。彼らはメキシコ政府に対し、行方不明となった人々の発見に全力を注ぐことを求めている。

昨年12月にメキシコ大統領に就任したロペスオブラドールは、3年以内に凶悪犯罪を30〜50%減らし、6年の任期中にOECD諸国の平均レベルまで犯罪率を下げることを目指している。

彼は非暴力によってそれを達成すると述べ、麻薬犯罪に手を染めざるを得ない貧困層の若者たちへの奨学金の支給や、就労支援を実施し、社会構造を抜本的に変えると宣言している。

ロペスオブラドールは今年1月、「麻薬戦争は終わった。我々は平和を望んでおり、それを実現しようとしている」と述べ、麻薬戦争の終結を宣言していた。

編集=上田裕資

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