グーグルの新型Pixelに迫る、中国「魅族」の400ドル台端末の実力

Meizu 16S(筆者撮影)

グーグルは、ミドルレンジの新型スマホ「Pixel 3A」を発表した。販売価格は約400ドルと、以前のPixel 3の半分ほどだが、米国のメディアは「コストパフォーマンスが高い」と評価している。

しかし、中国製品が普及している他の市場では、状況は異なる。筆者はこの1週間、中国のスマホメーカー、Meizu(魅族)の「16S」をテストしてみた。16Sは、ゴリラガラスやハイエンドチップセット「Snapdragon 855」を搭載しながら、価格は440ドルに抑えている。

16SとPixel 3Aは、いずれも流行りのベゼルレスデザインを採用していないが、Meizuの方がベゼルが格段に細く、iPhone XSとほとんど変わらない。16Sは、ワイヤレス充電や防水に対応していないことを除けば、価格が850ドルほどするグーグルのフラッグシップモデルに匹敵する性能を誇る。


Meizuの16S(左)とiPhone XS(右)。16Sのベゼル幅は XSとほぼ同程度だが、ノッチがないためすっきりしている。

16Sは、深センの企業「Goodix」が開発した画面内指紋認証センサーを搭載している。Goodixの指紋スキャナーは、ファーウェイの「P30 Pro」やシャオミの「Mi 9」にも搭載されており、認証の速度と精度は非常に優れている。

6.2インチ(1080×2232)のディスプレイは、サムスン製OLEDだ。屋外での輝度は、サムスンやLG、ファーウェイのフラッグシップモデルに及ばないものの、屋内ではそん色がない。また、ボディは全体的に少し湾曲しており、持ちやすくなっている。

ソニー製センサーの高性能カメラ

48MPのメインカメラはソニーのセンサーを搭載している。これは、Vivoの「V15 Pro」に搭載されているサムスン製センサーよりも高性能だが、48MPの撮影よりも12MP相当の撮影の方が適している。他にも、3倍ズームが可能な20MP望遠レンズを搭載している。

メインカメラは高画質で、ダイナミックレンジは平均的だ。画像処理は、ハイコントラスト環境での撮影ではそれほど高くないものの、夜間での撮影性能は高い。昼間の撮影ではダイナミックレンジの乏しさも見て取れたが、夜間での撮影はダイナミックで解像度も高い。

3倍光学ズームの性能は宣伝されている通りで、照度の低い夜間でもしっかり機能した。ファーウェイやOPPOの端末には10倍ズームもあるが、価格は16Sの倍以上だ。

16Sは、動画撮影機能も優れている。この要因としては、Meizuのソフトウェア「EIS」が搭載されていることに加え、Snapdragon 855が動画処理に優れていることが挙げられる。1080/30fpsの動画は安定してスムーズだ。
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編集=上田裕資

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