グーグルの新型Pixelに迫る、中国「魅族」の400ドル台端末の実力

Meizu 16S(筆者撮影)


高いパフォーマンス

16Sに搭載されている「Snapdragon 855」は、各メーカーの今年のフラッグシップモデルに最も多く採用されているチップセットだ。筆者がテストしたのは、メモリが6GMのベースモデルだが、パフォーマンスは非常にスムーズだった。

OSは、「Android 9.0」の上にMeizuのカスタムスキンである「Flyme」を乗せている。Flymeのバージョンは9.0で、ブロードウェアは少なく、最低限のデザインとなっている。唯一筆者が気に入らないのは、アプリトレイがないため、アプリを全てホームスクリーン上で保管する必要がある点だ。

バッテリー容量は3600mAhと特段大きくない。バッテリー持ちは、シャオミやファーウェイの端末ほどではないが、7日中5日は終日使用することができた。

派手なギミックはなし

Meizu 16Sは、他社製品のような派手な機能を搭載していない。例えば、OnePlusが近く発表する「OnePlus 7 Pro」は、リフレッシュレートが90Hzと、目の負担を軽減してくれる。また、筆者がテスト中の別の廉価版のOnePlus 7は、ノッチを避けるためにポップアップ式のカメラを採用している。他にも、「Honor」が発売予定のミドルレンジ端末は、4基のカメラを搭載している。

これに対し、16Sのカメラは2基で、今年の流行となっている広角レンズも搭載していない。また、ポップアップ式のカメラもない。

16Sは、派手さはないがベーシックな機能を重視した端末だ。最新のクアルコム製チップセットを搭載し(ファーウェイのKirin 980よりも信頼度は高いと言える)、動画撮影は非常に安定しており、スチルカメラも地味だがしっかりしている。デザインはエキサイティングではないが、人を不快にさせることもない。

今や大半の端末に搭載されているノッチが嫌だったり、ギミックの操作が面倒な人にとって、Meizu 16Sは最適な端末だと言える。中国端末が締め出された米国で16Sの代わりとなるのは、グーグルのPixel 3Aくらいだろう。

編集=上田裕資

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