ロケットラボが今年3度目の衛星打ち上げ、年内に「週2」目標

前回打ち上げ時の写真(Courtesy of Rocket Lab)

小型人工衛星の打ち上げ分野のリーダーを目指す「ロケットラボ(Rocket Lab)」が、次回の打ち上げプランを公開した。シアトル本拠の宇宙企業Spaceflightの依頼を受けて実施する打ち上げで、複数の小型衛星を宇宙空間に送り込む。

次回の打ち上げは6月上旬に、ニュージーランドのマヒア半島のロケット発射施設、Launch Complex 1で実施される。これはロケットラボのエレクトロン(Electron)ロケットの7回目の発射で、2019年に入り3回目となる。

今回のミッションはSpaceflightの地元のシアトルが、雨が多い気候であることに因み「Make it Rain」と名づけられた。

ロケッラボCEOのピーター・ベックは「Spaceflightと共に実施するエキサイティングな任務は、エレクトロンロケットが実現した小型衛星打ち上げの自由度を示すものになる」と述べた。

Spaceflightは複数のクライアントの小型衛星を、ライドシェア型で打ち上げる衛星放出機構のSSO-A(SmallSat Express)で知られている。昨年12月のスペースXのファルコン9ロケット打ち上げの際にSpaceflightは、64基の衛星をSSO-Aに格納し、軌道に放出した。

6月の打ち上げで発射される衛星の数は現時点では不明だ。しかし、今回のミッションには米国特殊作戦軍(USSOCOM)の2つのプロメテウス(Prometheus)宇宙船や、メルボルン宇宙プログラムのACRUX-1衛星、米国企業のBlackSkyのGlobal-4衛星の打ち上げが含まれている。

今回の打ち上げではエレクトロンロケットにキックステージ(Kick Stage)と呼ばれる装備が追加され、衛星を軌道に放出する。キックステージの導入により、従来は困難だったミッションが可能になる。

6月の打ち上げ実施は、ロケットラボが以前から明かしている「毎月ロケットを打ち上げる」という意志をさらに明確なものにする。前回の打ち上げは5月の上旬で、その前は3月の終わりだった。同社は2019年の末までに、ニュージーランドの打ち上げ施設と、米バージニア州に新たに設置する施設から、週2回の打ち上げ実施を実現しようとしている。

ライドシェア型の衛星打ち上げ分野で、ロケットラボの競合となるのは、フランスのアリアンスペース(Arianespace)だ。アリアンスペースは5月9日、今年後半に42基の衛星をVega ロケットで打ち上げるとアナウンスした。

編集=上田裕資

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