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Tanjala Gica / Shutterstock.com

米国の一部のネイルサロンで、発がん性がある化学物質の室内濃度が、自動車修理工場や石油精製所を上回っていたことが分かった。

コロラド大学の研究チームは、ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC)を含む製品を使用するネイルサロンの室内濃度と発がんリスクの関連性について調査を実施。先ごろジャーナル「エンバイロメンタル・ポリューション(Environmental Pollution)」に論文を発表した。

これらの化学物質の危険性はすでに確認されており、以前からネイルサロンの従業員の健康に害を及ぼしている可能性があると考えられてきた。だが、今回のように明確な関連性を確認するに行われた研究は、まだ数が少ないという。

研究は「極めて小規模」

ネイルサロンで使用される製品には、さまざまな化学物質が含まれている。特にその一つであるベンゼンは、主に血液がん発症の原因になることが分かっている。

研究チームは、コロラド州にある6カ所のネイルサロンの従業員を対象に1年6カ月にわたって調査。過去のデータとの比較に基づき、20年以上にわたってベンゼンとホルムアルデヒドの影響を受けたと仮定した場合に推定されるがん発症リスクを割り出した。

その結果、調査対象とした全ての従業員について、扁平上皮がん(肺がん)と頭頸部がん、ホジキンリンパ腫の発症リスクが上昇すると考えられることが分かった。中には白血病を発症する相対リスクが100倍以上になると推計された従業員もいた。

ただし、ネイルサロンの従業員が実際にその他の人たちよりもがんを発症する可能性が高いのかどうかについての大規模な調査は過去に行われておらず、当然ながらこの研究結果には注意が必要だ。
また、一部のサロンは室内で計測されたVOC濃度に、その他の要因が影響を及ぼしていた可能性もある。

米国がん協会の疫学研究プログラムの上級主席研究員は、「汚染物質の濃度が、近隣のその他の暴露源ではなくネイルサロン内での業務に起因するものかどうか不明だ」と指摘している。

編集=木内涼子

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