「5年も続くと思っていなかった」──それでも進化を続ける、きゃりーぱみゅぱみゅの頭の中

5月10日に新曲「きみがいいねくれたら」をリリースした、きゃりーぱみゅぱみゅ


友人と訪れた縄文時代の展示も、アイデアの参考に

出雲大社や南座でのライブなど、自分のやりたいことはやれているのですが、最近はアイデアを出し過ぎている感覚もあって(笑)。

自分の中にアイデアがないと、「次は何したい?」と聞かれたときに、全くイメージが湧かず、進行が止まってしまう。その結果、「どうしよう…どうしよう…」と焦って、負の連鎖が続いていくので、自分の引き出しを増やすために、またいろんなものを観て、感じて、イメージを膨らませようと思います。


出雲大社でパフォーマンスする、きゃりーぱみゅぱみゅ。本人曰く、「空気が神聖な感じがして、ライブ中に泣きそうになってしまった」という。写真=アソビシステム提供

例えば、ディズニーランドに行ったときもアトラクションも楽しむんですけど、どっちかと言えばミニーちゃんの衣装に目が行ってしまったり、パレードやショーを観ていたり。特に夜のエレクトリカルパレードがすごく綺麗で、衣装を観て、「ここが光ったら綺麗に感じるんだなー」とか考えたこともあります。

あとは去年、友人に誘われて東京国立博物館の特別展『縄文-1万年の美の鼓動』に行ってみたら、いろんな発見があって。縄文時代の人たちが拡張ピアスみたいなものを土偶化していて、なおかつデザインもお洒落で。こういうのもいいなーと思いました。自分の興味・関心から、かけ離れているものを観に行くことで引き出しが増えいくんだなって。

ただ、どこか出かけるときに「今日はインプットしに行くぞー」って思うことはないです(笑)。出かけた先で印象に残ったものを写真に撮ったりしておいて、何かのタイミングで思い出したら、「前にこんなの観たんですけど、こういう感じにしたいです」って言って、スタッフの方たちにアイデアを伝えていきます。

機会があれば「香りのプロデュース」もやってみたい

デビューから8年が経ち、もうすぐ私も30歳。20歳の頃は、「26歳になったら絶対にツインテールなんてしないんだろうな」と思ったんですけど、最近も仕事でツインテールをやっていて。頭がカチ割れるんじゃないか、と思うくらい痛かったんですけど、20歳の頃の昔の自分も忘れずに、30歳になっても自然にツインテールが出来てたらいいなと思います。「私、もういい年齢なので…」という感じにはなりたくないし、歳は関係なくやっていきたい。

そういう意味で、個人的にすごく尊敬しているアーティストはYUKIさん。年々、若返っているように感じて、いつも驚きます(笑)。年齢を重ねているにもかかわらず、いろんな活動をされていて、YUKIさんが“女性は年齢じゃない”ことを証明してくれている。私もその気持ちで変わらずにいたいですね。



あと、個人的にはアーティスト以外の活動も最近気になっていて。私は百合の香りがすごく好きで、いろんな人から「きゃりーちゃんって、いい匂いだね」と言ってもらえることも多いので、女性を応援する香りのブランドや商品などもやってみたいです。

あとはメキシコ雑貨も好きなので、雑貨のプロデュースや内装をコーディネートするなど、大きなことにも取り組んでみたいなと思いますね。アーティスト活動と、アーティスト活動外のことにも取り組むことで、良いインスピレーションがを得られそう。今は、決められたアーティストのフォーマットから一歩抜け出せるよう、いろいろ考えてもらっているので毎日がすごく楽しいです。

これからも、私は自分のやってみたいことにたくさん挑戦していく予定なので、みなさん温かい目で見守ってくださいね。くれぐれも、「路線変更か?」とは言わないように(笑)。

構成=新國翔大 写真=小田駿一

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