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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

ダッジ・スーパー・チャージャー

食料から洋服、薬から恋愛まで、なんでもオンラインで買える随分と便利な時代になった。21世紀を象徴するようなゼロ・エミッション排出の電気自動車もオンラインで購入できる。

では、20世紀に生まれ、時代錯誤になりがちのV8エンジンもオンラインで買えるのはご存知だろうか。しかも、1000馬力をたたき出すモンスターエンジン。それが、箱入りで配達されるのだ。今回は、アメリカならではのそんなマッチョな自動車文化をご紹介しよう。

先日、アメリカでフィアット・クライスラー(FCA)傘下のダッジというブランドが、スポーツ走行用またはドラッグ・レースのマシン用に、限定生産の「ヘレファント」V8エンジンを売り出した。すると、たった2日で完売。こう聞くと、まだまだパワフルなガソリン・エンジンを買いたがる人はかなりいるということがわかる。1000馬力というと、トヨタ86の出力の5倍、スバルWRX STIの約3倍のパワーに当たる。とんでもない怪物エンジンだ。



スポーツ走行用と前述したけれど、やはりドラッグ・レース用に欲しがる顧客が多いだろう。日本ではドラッグ・レースはあまり耳にしないが、これは直線コース上で停止状態から発信し、クォーターマイル(日本では「ゼロヨン」と呼ぶが、およそ400メートルの距離)を急加速しゴールまでの時間を競う単純なモータースポーツのことを示す。アメリカでは大人気のスポーツで、各州で毎月のようにイベントが開催される。

実はアメリカのモータースポーツのエンスーたちが毎年楽しみにしているのが、4月26日というヘミ・デイなのだ。「ヘミ・デイ」は、多くのファンが欲しがる426キュービック(立方)インチの排気量を持つV8エンジン、つまり7リッターのV8エンジンを祝う日だ。「ヘミ」とは、エンジンの燃焼室の形状がへミスフェリカル(省略してヘミ)、つまり半球状であることに由来する。

そして毎年、FCAの社内チューニング部門であるMOPAR社がこの日に必ず何か特別な技術を発表する。今年は、1000馬力の「ヘレファント」エンジンを披露し、それらを最大に宣伝するために、1台の1968年式のダッジ・チャージャーに特別にエンジンを積み、「ダッジ・スーパー・チャージャー」と呼んだ。

そうは見えないかもしれないけど、写真のクルマは50年前の伝説モデルで、特別にドレスアップされた状態で会場で発表された。

文=ピーター・ライオン

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