挑戦する人と挑戦する企業をつなぐ、Forbes JAPAN 初の採用ブランディング

インスタグラムにTikTok、話題となるインターネットサービスは若者向けの娯楽が大半だ。それら陽の領域を『ハレ』とするならば、医療や介護・葬儀といった、積極的には取り上げにくい領域は、『ケ』と呼ばれる。そしてこの領域には、未だインターネットで解決できていない問題が多く残されている。

この『ケ』の領域で真正面から課題解決をしようとしているのが、“医療系”スタートアップ企業のメドレーだ。「医療ヘルスケア分野の課題を解決する」というミッションを掲げ、医師たちがつくるオンライン医療事典『MEDLEY』やクラウド診療支援システムの『CLINICS』などを展開。

また、人員構成もユニーク。医師や弁護士といったスペシャリストが数多く在籍することでも知られている。

もちろん、インターネット業界に長くいるメンバーも多い。その筆頭が、はてなやグリーをはじめ、インターネット業界の最前線で事業開発を行い、自らも介護サービスを立ち上げた経験を持つ取締役、石崎洋輔だ。

「人と違うことを徹底的にやろうとするタイプ。天邪鬼で凝り性」と自身を分析する石崎が、メドレーで実現しようとしていることは、誰一人取りこぼすことのない、すべてのユーザーに届くサービスづくり。そして、その取り組みを支えるのは、一種の狂気だった。

普通のことをやってたら、普通のサービスしか生まれない


4万件近くの本音が掲載されるサービスへと成長した介護施設・サービスの口コミサイト『介護のほんね』。石崎はその発案者であり運営会社の代表も務めていたが、2015年の株式交換に伴い、事業とともにメドレーへ参画した。

ここで一つ、石崎の“凝り性っぷり”が垣間見えるエピソードをご紹介したい。

『介護のほんね』に載るべきは、自分や自分の家族の終の住処を選ぶ時に参考になる信頼できる情報でなければならない。賞賛ばかりは嘘のように映り、罵詈雑言は論外。賛否はともかく、客観的な事実と主観的な感想が、どちらも詳細に記載されている必要がある。類似するサービスが多くある中で、口コミの質と量がサービスを伸ばす鍵になると、石崎は確信していた。



しかし、サイトに寄せられる口コミは、そのまますべて掲載できるわけはなく、約1/3は掲載を許可することはできない内容。単なる誹謗中傷が含まれていることもあった。そこで石崎は、非承認となるすべての投稿に対して一件ずつ、「なぜ掲載ができないのか」という理由を書いて返信することに決めた。その数、実に2万件。自身で全て対応したという。

なぜそこまでするのかと聞くと、石崎はこう答えた。「普通のことを普通にやっていたら、普通の結果になるだけ。ここは外せないというポイントを、異常なまでにやりきることが必要なんです」。

このあり方は、メドレーでも変わることはない。取締役として参画してすぐに着手したのは、日本最大級となった医療介護従事者向けの求人サイトの『ジョブメドレー』のデザインリニューアル。創業社長の瀧口(代表取締役社長 瀧口浩平氏)とのやりとりは、今も社内で語り継がれる。

自分の感覚は正しくない。だから必ずユーザーに話を聞く


「当時のジョブメドレーは、男性的なイメージでした」と振り返るように、ユーザーの8割は20代~40代の看護師や介護職といった女性たちにもかかわらず、黒や白を基調にしたベーシックなデザイン。石崎は、メインユーザー層にマッチするように、これまでと正反対とも言える「女性的でやわらかいデザイン・文言・トーンへと、一気に振り切った変更案を提示した。

あまりにも極端な路線変更に、社長の瀧口は難色を示したが、石崎も提案を曲げなかった。石崎が頑なだったのは、経営者としての瀧口の手腕を尊敬している一方で、ユーザーのことを踏まえたウェブサービスのディレクションという点では、自分の方が経験豊富だという思いがあってのことだった。メインユーザー層に実際に会ってみて、変更後のデザインがマッチするという確信も持っていた。結果、「そこまで言うなら」と瀧口に任される形でリニューアルを断行し、現在に至る。

その結果、ジョブメドレーは今や日本最大級のサービスに成長した。

このデザインリニューアルの一件をはじめ、石崎が物事を判断する際、自身の好き嫌いを基準にすることはない。むしろ、「自分の感覚は正しいと思っていない」とすら言う。その為にユーザーに会いに行き、声を聞いた上で、彼らが欲しいものを提供する。自ら一次情報を手に入れに行く労力を絶対に惜しまないのだ。

例えばサービスターゲットが30代女性だったとしたら、自分とは異なるターゲット心理は計りかねると思うだろう。では、「30代男性・子供がいる管理職以上」がターゲットだとしたらどうか、と聞いた。

しかし、「自分がユーザーターゲットに該当する属性だったとしても、自分はたくさんいるユーザーの中の何百万分の1だという意識がある」と石崎は言う。自分とは違う感覚を持った人たちのことを、決して見逃さないということなのだ。



神は細部に宿る。だからこそ、細かい改善を重ね続ける


石崎がジョブメドレーを率いて以降、毎年倍々の成長を続け、今では日本の約1/4の医療介護福祉事業所が利用するサービスにまで拡大している。乱暴な言い方をすれば、数ある転職サイトのひとつとも言えるジョブメドレーは、なぜそれだけの支持を受けているのか。

「高齢者は増え続け、医療介護人材の数は圧倒的に不足しています。環境が追い風になっていることが最大の要因です」と石崎は謙遜したが、まさかそれだけではないだろう。すると、少しの沈黙の後、当たり前のことですけど…と前置きをした上で、「例えばサイトは、1ピクセル単位までこだわります」と続けた。

応募フォームにわずかに入る影を取り除くなど、応募者は誰ひとりとして気づいていないのではと思われるレベルで、目を光らせる。ユーザーは、ごくわずかな違和感でもサービスを使わなくなってしまうことがあることを知っているからだ。

また、こんなエピソードを披露してくれた。「例えば、苗字が5文字ある人がユーザーだったとして、応募フォーマットは3文字までしか入らない設定になっていれば、その時点でサービスを使わなくなってしまうじゃないですか」。

サービスの作り手からしてみれば一見どれも「当たり前」のことかもしれない。ただ、ジョブメドレーが支持される理由のひとつは、こうしたユーザーの小さな失望や落胆を見逃さず、いわゆる「凡事」を非凡なレベルで徹底し、細かく改善を積み重ね続けていることにあるのだろう。

“そもそも”を明確に定義しておくことで、成長スピードを損なわない


ただ、その細やかさは、スピード感を持ってスケールする中では、足かせにはならないのだろうか。この問いに対しては、「インターネットサービスの提供者としては当然のことで、しっかりと設計して細部まで追求しきったものをリリースすべき」と石崎は答えた。

不完全な形で走りはじめると、ずっとメンテナンスを続けていかなければならず、負の遺産を抱えることになる。

だからこそ、なぜこのサービスをはじめたのか、どのような社会課題を解決するのか、などの目的を明文化した「プロダクト理念」を定義し、そのうえで、サービスを設計している。

メンテナンスコストを下げることで、かかわるメンバーがどれだけ増えたとしても、情報を繊細に扱いつつも、スピード感を持った運用が可能になると言う。

では、メドレーは今後どこへ向かうのか。これからについて話を向けると、「まだまだです」という答えが返ってきた。「ジョブメドレーで言えば、日本にはわれわれが対象とする事業所が約65万件あり、ハローワークにはおよそ30万件程度の求人が掲載されている。同じぐらい利用されるようになりたい」。そこには、未だ届いていない。ただ、圧倒的にユーザーから選ばれるためのたったひとつの方法を、石崎は知っている。

「当たり前のことを、当たり前に徹底する」

つまり、ユーザーの声を聞きに行く時間やユーザーのことを考える時間を、きちんと確保することだ。

「凡事を徹底することで、みんなが使えるサービスにしたい」。ジョブメドレーの真価を目にするのは、ここからなのだろう。

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