米国内でEV充電所が多い住宅市場のトップ20は9つの州に存在し、その大部分がカリフォルニア州だった。最も多くの充電所を設けていたのはカリフォルニア州アーバイン(郵便番号92618)で、充電所の数は77だった。トップ20における充電所の数の平均は約30カ所だった。EVに優しい上位地域を総合した住宅販売価格中央値は78万2000ドル(約8700万円)で、周辺大都市圏よりも1.5倍高く、米国の他地域よりも2.6倍高かった。
リアルター・ドット・コムは、電気自動車充電所の世界的データベースであるオープンチャージマップ(OpenChargeMap)のデータを使い、6980の郵便番号における19743カ所の充電所を追跡し、その後EV充電所が多い20の地域の住宅市場を分析した。
レアルター・ドット・コムの首席エコノミスト、ダニエル・ヘールは「私たちのデータからは、EV充電所の多さと住宅価格の高さの間には間違いなく関連性があることが示されている」と述べた。「しかし、相関関係と因果関係は違う。私たちがデータから発見した傾向は、裕福な住宅所有者が高価なEVを購入しがちであることの結果と考えて間違いないだろう。しかし原因が何であれ、EV充電所が豊富に存在する地域で住宅を購入するときには特に高い値段を支払うことになるだろう」
ヘールは、EV充電所は住宅価格が高いエリアで見られることが多く、その地域に住む人の富を反映しているだけでなく、裕福な人が環境に優しい決断をする傾向にあることを示していると指摘している。
調査では、カリフォルニアの高速道路で1人しか乗っていないEVに相乗り専用(HOV)レーンの使用が許可されていることとEVを採用することの間のつながりが示されたが、これはカリフォルニア州に限ったことではない。
「EVを所有すれば、乗り合い者がいなくてもHOVレーンを使えるなど、時に素晴らしいメリットがもたらされる」とヘール。EVを使用し、これ以外にも存在するメリット(自動車の排ガス削減への貢献など)を享受したい人は車を充電する必要がある。近所や自宅に充電所が既に存在すれば、住宅購入者はこの点に取り組まなくて済む。現在EVを所有している人やこれから購入を考えている人は、この点が確実に目に留まるだろう。