ドナルド・トランプ米大統領は5月5日、中国からの輸入品に対する関税の引き上げを表明。中国はそれが実施されるという脅威の下で、米国との協議に臨むことを求められている。
公共政策コンサルタント英アクセス・パートナーシップの国際公共政策担当マネージャーによれば、中国はこの脅威を深刻に受け止めている。そして、その脅威に対応する方法もすでに学んでいる。
「中国はここ1年ほどの間に、“文字通り”というわけではないものの、トランプ大統領を真剣に受け止めることを学んだ」
「彼らがすぐに、対抗措置としての関税引き上げの実施という脅しをかけなかったこと、そして劉鶴副首相の訪米を中止しなかったことには、大きな意味がある」
また、この問題に関して中国には、現時点で次の3つの選択肢があるという。
プランA:米首都ワシントンでの閣僚級の貿易協議を予定通り(9日から)行う
プランB:協議を延期する(そうなれば、両国が6月末までに合意に達することはほぼ不可能になる)
プランC:貿易戦争を激化させる
同マネージャーは、中国がプランCを選ぶ確率は20%、その他2つを選択する確率はそれぞれ40%とみている。いずれにしても、両国は交渉のテーブルにつき、解決策を見出すと楽観視している。
「両国の経済は今年第1四半期、どちらも幸先の良いスタートを切った。中国に比べ、米国の失業率は低い。トランプが対中関税を引き上げるとツイッターで表明したことを受け、米株先物と人民元相場は急落。1日の下げ幅としては過去3年間で最大となった」
「こう着状態に陥ったとしても、最終的には両国は、競技を継続するだろう」
米ファースト・フランクリン・フィナンシャル・サービシズのチーフ・マーケットストラテジスト、ブレット・ユーイングもまた、この問題に関して楽観的だ。劉鶴副首相の訪米の予定を変更していないことは、前向きなサインだとみている。
「経済の弱さからみて、中国は貿易戦争を長引かせることができる立場にない。彼らには、マラソンで米経済に対抗できるほどの体力がない」