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震災復興はまだ途上にあるが、その“フェーズ”は明らかに変わり始めている。
復興のための地域活動が事業となり、それぞれがアメーバー的につながり始めたのだ―。


2月8日、仙台市青葉区の東北大学百周年記念会館川内萩ホールは熱気に包まれていた。起業家応援イベント「SENDAI for Startups! 2015」が開催され、738人もの人々が集まったのだ。これは東京以外で開催される起業家応援イベントとしては最大規模のものという。

 東日本大震災からの復興はまだ途上にあるが、東北では震災以降、起業の機運が高まっている。「都道府県別に起業率を比較すると、東北はいつもワースト上位を占めていたのですが、現在では宮城が2位、福島が4位、岩手が10位とベストの上位を占めるようになってきました。銀行や企業などからの起業家支援の機運も高まっています」

 そう語るのは竹井智宏。このイベントを主催した一般財団法人「MAKOTO」の代表理事を務める。竹井は震災以降、勤務していたVCを辞め、被災地のベンチャーや中小企業を支援する団体MAKOTOを立ち上げ、クラウドファウンディングサービス「チャレンジスター」などを運営し、これまでの2年あまりで20件、2,000万円のマッチングを成功させている。その活動の集大成ともいえるイベントが「SENDAI for Startups! 2015」だ。

 LINEの森川亮CEOの基調講演に始まり、東北の起業家たちのプレゼンテーション、ビジネスグランプリの表彰式と交流会で、参加者たちは大いに盛り上がった。(中略)

 こうした東北の盛り上がりを、マッチングプラットホームとして支えているのが、本誌昨年9月号でも取り上げたGoogleの復興プロジェクト「イノベーション東北」である。これは、知識やスキルを使って、東北を支援したい、東北の事業者と一緒にプロジェクトをやってみたいという個人がインターネットを使って、まさに「場所と時間」を超えてつなげようというプロジェクトで、2013年5月のスタート以来、313件の事業者と1,004人のサポーターが登録、436件のマッチングを成功させている。また、個人のプロボノだけではなく、KDDIやJTB、ヤフーなど30社を超える企業も、その事業の垣根を越えてサポートを表明している。

 このプロジェクトを統括するのがGoogleのプログラムマネージャーを務める松岡朝美だ。彼女も東北の盛り上がりを実感している1人である。「グーグルの有志たちで震災直後から東北をまわるボランティア活動を行ってきましたが、今、復興はフェーズが変わって、東北の新たな魅力が伝わってきています。そこに住む人たちが自分の仕事を持ちながら、地域のために働き、それが自分の本職に返ってきている。地域へのゆるやかなかかわりが無駄になっていないのです。それが同時多発的に起きています。“有機的な流れ”が起き始めているのです」

 実はMAKOTOの竹井もイノベーション東北のチャレンジャーの1人である。MAKOTOでは個別起業家へのハンズオン支援(経営支援)をメインに、前述の「チャレンジスター」、さらに「cocolin」というコワーキングスペースを運営し、起業家を支援している。(中略)“志こころざしがlinkする”という意味で名付けました。チャレンジしたい人がここに集い、1人では決して生み出せない価値をつくり出そうというスペースです。従来のレンタルオフィスでは仕切りが設けられているのが当たり前ですが、cocolinは仕切りを取っ払い、互いが知り合いになりやすい環境を提供しています。現在、クリエイティブ系、福祉、農業など、業種もさまざまな56人の起業家が入居していて、コラボレーションが起き始めている」(竹井氏)

 これもグーグルの松岡が言う「有機的な流れ」の表れだ。この流れに乗って起業を果たした企業家は数知れない。秋田伝統の川反(かわばた)芸者を「あきた舞子」として復活させた「せん」の水野千夏、企業向けセキュリティのソリューション開発/販売を行う「トライポッドワークス」の佐々木賢一、銅ペーストの事業化を図る「マテリアル・コンセプト」の小池美穂、工場での野菜栽培を行う「みちさき」の菊池守、食を通じて47都道府県を活性化させる活動を行い、福島産米でライスバーガーを販売する「47(ヨンナナ)PLANNING」の鈴木賢治などの起業家が、ユニークな企業が創業している。「こうした流れは東北だけに限ったものではなく、外からも地域づくりに参加しようという緩やかな流れになっています。自分にできることでつながりを持とう、自分のスキルやアイデアを東北に持っていき、つながろうという人たちがやってきて、いろんな人を巻き込んでいます」(松岡氏)

(以下略、)

文=鈴木裕也

 

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