登山やマラソンが流行るのも同じ理由です。傍目には、「あれだけ忙しい人が、どうしてさらにきついことをするの」と思われがちですが、それくらい強く自分を追い込んで、何も考えられなくなる時間が必要だからなのです。
特に登山は、登りのしんどさに耐えまくった後、頂上からの爽快な景色を体感できるので、強烈な解放感を得られるのでしょう。サウナもマラソンもやりすぎは体によくないですし、あえて勧めようとは思わないのですが、これらが流行る原理を知って、自分なりの不安解消法を見つけてみるといいのではないでしょうか。
最後に一つ付け加えたいことがあります。それは、肉体や退屈からくる疲れと、不安からくる疲れは、原因が全く異なるものだということです。肉体や退屈からくる疲れは、単純に回復することでゼロになりますが、不安からくる疲れは、一時的に回復できてもゼロには戻りにくいものです。
よって、悩む自分と悩まなくていい自分を往復できるようになり、余裕ができてきても、いつまでも不安が抜けないようなら、「冷静にいまの自分を見つめる時間」をしっかり取る方がいいのだと思います。
連載 : 働き方革命最前線 ─ポストAI時代のワークスタイル
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