ビジネス

2019.05.08

深センから世界を繋ぐ多言語学習アプリ「HelloTalk」創業者の夢

HelloTalk Meetup in USA


Twiggyさんも、応募時点では未経験でポジションがなかったが、今は言語学習コンテンツの運営を任されている。

「効率的で、つねに新しいことを習得できているという実感があり、また、社内パーティー等のチームビルディングイベントも盛んで、毎日が楽しいです」

他にも、Twiggyさんたちと一緒に働く「仲間」が世界中にいる。各国にいるマーケターはリモートワークが可能なのだ。その多国籍な仲間たちも、年に数回は深センに集まり、交流を深めている。

世界一の言語改善アプリを提供するのが夢

そんな素晴らしいコミュニティをつくり、進化し続けるハロートークが、新たなアプリを開発した。「English Grammar Checker」というものだ。


(c)HelloTalk

このアプリケーションは、名前からして、英文のミスタイプをチェックするものを想像してしまうが、それだけではない。

アプリで繋がるコミュニティ内では、日々、リアルな言語交流がおこなわれ、各言語のネイティブが正しい文章を教え合っているし、プロの語学教師からのアドバイスも多数ある。どの文法が間違いやすいのか、どのように改善すれば美しいのか、という無数のデータが日々アップデートされている。

その独自のデータとAIが協業し、複雑な文法ミスも、瞬時にネイティブ並みの表現に正してくれるという画期的な言語改善アプリだ。その精度の高さは世界トップクラスだと、実証結果も物語っている。

「このアプリは一般の方も利用可能で、まず英語版から発売し、さらに日本語版、中国語版と開発していく予定です。僕自身もハロートークのユーザーの1人であり、コミュニティの皆さんと一緒に築き上げた財産を、今後はより多くの方たちに活用してもらいたい。すべての人たちに世界一の言語改善アプリケーションを提供する、それが僕たちの新しい夢です」


Zackery Ngai CEO

そう力強く語るZackery氏は、外見からは年齢より若く見えるが、すでに40代。成熟した大人で、堅実な経営者でもある彼は、20代から30代の起業家が中心の深センでは、貴重な存在だ。もちろん若い人たちの勢いは素晴らしい。その反面、継続的に事業を発展させるという、更なる課題に直面している若手起業家は少なくない。

その中にあって、Zackery氏は、世界へと展開しながらも、本社スタッフは50名ほどで効率よく事業を運営している。ここ深センにおけるスタートアップのトップランナーとして、また長期的な視野で社会貢献性を追求する起業家として、注目を集めていくにちがいない。

連載:深センのリアルなキャリア事情
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文・写真=藤井 薫

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