日本でも浸透するかeスポーツ 国体や企業のサポートが普及を後押し

Porsche Esport Racing Japan(ポルシェEスポーツレーシングジャパン)シーズン1

日本ではいまだ大きな話題になることが少ないが、世界各地でeスポーツと呼ばれる競技が活況を呈している。eスポーツとは、ビデオゲームを使った競技のこと。個人もしくは団体形式で、ビデオゲームを使ってバーチャルな競技を行うゲーム大会のことだ。

海外ではプロeスポーツチームが数多く存在し、企業スポンサーがチームや大会をサポートして賞金総額が数億円に上る大規模な大会が開かれている。競技に使われるゲームは多種多様だが、従来はチーム戦を主体とする「DOTA2」や「スタークラフト II」、「リーグ・オブ・レジェンド」などといったストラテジーゲームと呼ばれるジャンルのものが多かった。

ただストラテジーゲームは、知らない人がそのプレイ画面を見てもいったい何をしているのかわかりにくい。だからというわけではないだろうが、eスポーツに使われるゲームソフトもその後、画面を見て展開がわかりやすい3Dガンシューティングものから、「テトリス」「ぷよぷよ」のような対戦要素のあるパズルゲーム、「FIFA」シリーズ、「ウイニングイレブン」シリーズのように実際のスポーツをテーマとするものなどに多様化してきている。

「ストリートファイターシリーズ」「バーチャファイターシリーズ」「鉄拳シリーズ」といった対戦型格闘ゲームなどは、eSportsという単語が広まる以前から日本国内で競技として人気がある。

そして、モータースポーツもまた、最近はeスポーツと親和性の高いジャンルとして浸透しつつある。世界的にメジャーなのものとしてはモータースポーツの最高峰、F1の公式ゲームソフトを使ったものや、2輪レースのMotoGPの公式ソフトで競うシリーズなどが2017年ごろから開催されはじめた。これらは各カテゴリーの運営母体や、場合によってはレーシングチームも関わり、それぞれの公式eスポーツとして大々的に開催されており、全世界からオンラインで参加できる。


グランツーリスモワールドツアー 2019 パリ

日本では、プレイステーション4用ドライブシミュレーター「グランツーリスモSPORT」を使用するeスポーツが活況を呈している。グランツーリスモSPORTは、2018年より国際自動車連盟(FIA)認定の「FIA Gran Turismo Championship」をeスポーツとして開催している。こちらもやはり全世界から参戦でき、年間チャンピオンになればFIAが開催するモータースポーツ年間表彰式で、ほかのドライバーらと同等にチャンピオンとして表彰される。

グランツーリスモSPORTでは、それ以外のeスポーツイベントも続々と発表されている。たとえば、今年秋に開催される”いきいき茨城ゆめ国体”の文化プログラムのひとつ(他はぷよぷよとウイニングイレブン)に指定されており、4月1日から21日までの3週間にわたって、オンラインで予選が行われた。

このオンライン予選で上位20位以内に入ったプレイヤーは、5月から順次開催される都道府県代表決定戦への出場権を得ることができる。さらにそこで、各都道府県の上位2名までに入れば、国体が行われている茨城県に集結し、決勝大会を戦うことになる。

全国都道府県対抗 e スポーツ選手権 2019 IBARAKI

この大会には少年の部があるのも面白いところで、6歳から18歳までは少年の部での参加になる。ただ、少年でも実力は大人顔負けだったりするのがeスポーツらしいところで、千葉県や石川県などでは予選タイムランキングで少年の部のトップタイムが一般の部のそれを凌駕していたりする。
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文=Munenori Taniguchi

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