日本でも浸透するかeスポーツ 国体や企業のサポートが普及を後押し

Porsche Esport Racing Japan(ポルシェEスポーツレーシングジャパン)シーズン1


グランツーリスモは国体以外にも、ポルシェジャパンとパートナーシップを結び、全3戦からなるポルシェ限定のシリーズ戦を4月から6月にかけて行うことを発表済み。一方で、トヨタも、新たに登場したスープラのスポーツバージョン、GRスープラのみで戦うeスポーツ大会を開催することを明らかにている。

こちらはゲームに収録されている世界各地のサーキットで13ラウンドにおよぶオンライン予選を実施し、そのランキング上位者が10月下旬の決勝大会に集結して、チャンピオンを争うという大規模な大会になりそうだ。

GR Supra GT Cup

さらに国内モータースポーツ最高峰で、近年はF1に次ぐスピードを誇ることからF1を目指す若手レーサーが集結するようになってきたスーパーフォーミュラでも、主催者のJRPがJAF認定競技として、グランツーリスモSPORTに収録済みの最新スーパーフォーミュラマシンSF19を使用する「スーパーフォーミュラ ヴァーチャルシリーズ」を開催する。

これは6月から10月の間に国内3か所で、オンラインでなくリアルイベントとして大会を行い、それぞれの上位者が10月27日鈴鹿サーキットで開催されるグランド大会へ出場してチャンピオンを決定するという。実はこの日鈴鹿サーキットでは、本物のスーパーフォーミュラの最終戦が開催される予定であり、リアルとヴァーチャル両方のチャンピオン決定戦になる可能性も充分にあると言えるだろう。

eスポーツは、身も蓋もない言い方をすれば単なるゲーム大会かもしれないものの、いずれのジャンルでもプロスポーツと遜色ない激しい戦いが繰り広げられている。そのなかでも、モータースポーツの分野はリアルの運営団体がこれをサポートする傾向が強く、リアルとヴァーチャルのギャップが少ない。

実際にeスポーツの世界からリアルの世界でプロドライバーとしてデビューした選手も複数いるし、2018年のFIA Gran Turismo Championshipで頂点に立ったイゴール・フラガ選手(ブラジル)も、リアルではF3マシンを使うフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権を戦っている。

ただ、日本でのeスポーツ普及にはまだまだ障害も残されている。それはeスポーツの大会において海外のように高額な賞金や賞品を掲げにくいところだ。日本では景品表示法や賭博罪、風営法などの規制が厳しく、大規模な大会ともなればさらにそのハードルが上がってしまう。このあたりがクリアされるようになるには、まだもうしばらくeスポーツ全体の認知度が上がる必要があるのかもしれない。

文=Munenori Taniguchi

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