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世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

Junmai Daiginjo EIGA

日本酒を愛するファンの間でしばしばため息まじりに語られるのは「日本酒の価格は低すぎる」ということ。

フランスのグラン・ヴァンには10万円を超えるものが多く存在するが、日本酒の価格といえば純米大吟醸の一升瓶でも最多価格帯は5000円台(酒類総合研究所調べ)。

もちろん安価であることは愛飲家としてありがたいことだが、価格のバリエーションをもつことが日本酒全体の市場価値向上にもつながる、といま高価格・高品質のアイテムをラインナップする酒造メーカーが増えている。

ヤヱガキ酒造は寛文6年(1666年)、兵庫県は播州林田で創業。藤原鎌足を祖にもつ長谷川栄雅が名水と知られる「千寿の水」で仕込み、須すさのおのみこと佐之男命が詠んだ歌にちなんで「八重墻」という酒銘を得たのだとか。

創業から350年余を経た2018年12月、創始者の名前を冠した最高級ライン「長谷川栄雅」が発売された。なかでも最もプレミアムな「純米大吟醸 栄雅」に至っては4合瓶で3万円という高価格も注目を集めたが、もちろん、その価格に見合うだけのクオリティが担保されている。
 
まず米は兵庫県産、特A地区である加東市小沢地区の山田錦を100%使用。水は前述の「千寿の水」の甘味のある軟水が柔らかな口当たりを生み出している。そして酒質を決定づける麹づくりには、「蓋麹法」を採用。米を小分けに盛った木製の麹蓋を一晩中、数時間おきに積みなおすことで微妙な温度調整を成す伝統的な酒造技法だ。

極めつけは、もろみから日本酒を搾る際に、重力以外の力を一切加えずに、つるした袋からしたたり落ちる一滴、一滴を集めていく「袋搾り」製法。生きている酵母にストレスを与えることなく、無垢な味わいだけを抽出できる、プレミアムな酒にふさわしい造りだ。

このように素晴らしい酒を味わうには、やはり場も選びたいもの。酒の発売とタイミングを同じくしてオープンした直営のオリジナルショップでは、「長谷川栄雅」5種のテイスティングを一流シェフの独創的な肴とのペアリングで楽しむことができる。

スタイリッシュな空間がよく似合い、ここぞという日に飲みたい偉大な日本酒の誕生に、日本酒の近未来を見る思いだ。



Junmai Daiginjo EIGA 長谷川栄雅 純米大吟醸 栄雅

原料:兵庫県産山田錦100%
度数:16%
容量:720ml
価格:30000円(税別)
問い合わせ:ヤヱガキ酒造(Tel. 07-9268-8080)

photographs by Kenta Yoshizawa | text and edit by Miyako Akiyama

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