竹原さんは、これまでに水素水ウォーターサーバーや水素入りチョコ「SuicCho(スイッチョ)」などを開発してきた。
「いま健康寿命を延ばすという風潮がありますが、管理することばかりで、どうやって健康になるんだというソリューションが抜け落ちています。だからそちら側をメインにしたいと考え、その中心に水素というものをキーワードにおいて開発をしているのです」
では、なぜそれが水素なのか? その目的は明確であった。「いま力を入れているのが認知症の予防ケア。認知症はいま地球レベルの社会的テーマです。それを解決する方法はまだ確立されていません。ただ水素で脳活性が上がることは、わかってきているんです」
現在は水や食べ物ではなく“吸う”ことに着目し、電気分解式ポータブル水素ガス吸引具「KENCOS(ケンコス)」を開発。その普及に力を注いでいる。
「これまで水素水も作りましたが、水中の水素含有量は測る術がないので数値化できない。それに比べ、吸引であれば数値が出せる。水はppmですが吸引は%表記。濃度のレベルが全然違うのです」
水素吸引の効果は論文化されており、3年前には厚生労働省が先進医療に認定している。「KENCOS」は「トータルで1日30分ほどを何回かに分けて頻繁に吸うのがいいかと思います」という。そのため、持ち歩けるようにコンパクトサイズに作ったという。
そんな竹原さん愛用の腕時計がカルティエの「カリブル ドゥ カルティエ」。購入の動機には「KENCOS」も関わっている。
「カリブルが“キャリバー”のことを意味し、自社ムーブメントであること。それを搭載し、さらにカルティエで初めてのメンズ専用モデルだということなど、この時計の価値を熱心に説明されました。ちょうどその時、前の型なんですがKENCOSの発売後で、不具合が出てきたところでした。メーカーは難しいなと思っていた時だったので、カルティエの時計に対するアツい想いが心に響きました。即決でしたね」
竹原さんが選んだのは、SSとピンクゴールドのコンビ、38mm径のモデルだ。ちょっとした遊び心を持って、スーツに合わせたいからだという。
竹原さんは、生きているうちに10億個のKENCOSを売りたいそうだ。実現すると元気な老人が数多く存在しうることになる。メンテナンスさえすれば長く稼働する機械式時計に、ここでもシンクロするようだ。