キャリア・教育

2019.05.05 11:30

ガングロギャルからアフリカの星に。貧困地域で多国籍チームを率いるリーダーの献身

NPO法人アシャンテママ代表 栗山さやか


──現在の活動を通じて「わくわく」する瞬間はどんなときですか。
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最も嬉しい瞬間は、厳しい環境に生きる子どもたちの未来の可能性が広がっていると、肌身で感じられるときです。

たとえば、亡くなってしまうかもしれないと思った子どもが元気になった姿や、その傍らで喜ぶ家族の姿を見たとき。そして今、活動を通じて支援している子どもたちが大人になったときに、今度は困っている子どもたちをサポートする側に回ってくれたら嬉しい。

現在、アシャンテママでは、活動を始めた当初は生徒だった女性たちが主に働いています。今、支援している子どもたちも将来、支える側になってくれるかもしれない。そんな未来を想像すると、とてもわくわくするのです。
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──様々なバックグラウンドを持つ人たちとともに事業を進めています。多国籍チームのリーダーとして、最も重視しているのはどんなことですか。

しっかり話し合うことです。宗教や部族が異なるからこそ、常にスタッフ一人ひとりの意見を聞き、多様な価値観を尊重しながら、多角的な視点で物事を見極めるように心がけています。もちろん、自分が手本になれるように真摯に行動し、信頼してもらえるように努めることは不可欠です。

──栗山さんが描く、「来てほしい未来」の姿はどのようなものですか。

誰かの犠牲の上に、富める人はさらに富み、貧しい人は貧しいまま取り残されているという現状がなくなってほしいと強く願っています。

お互いが助け助けられ、優しさが巡る世の中であってほしい。どの国、どの村に生まれ暮らそうとも、教育や医療、食べ物、安全が保障された暮らしであってほしい。こうした想いが、活動を続ける上での原動力です。

栗山さやか◎日本の短期大学を卒業後、東京・渋谷の若者向け衣料品店勤務を経て、25歳で世界60カ国の旅に出る。行く先々の国でボランティアを行った後、2009年に貧困家庭の女性や子どもを支援するNPO法人アシャンテママを設立。15年には、日本人として初めてモザンビークの医療技術師の資格を取得した。16年に公益財団法人社会貢献支援財団の日本財団賞を受賞。18年には日本でもNPO法人アシャンテママとして登記した。

構成=瀬戸久美子 イラスト=Kyle Hilton

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