「安全装備もバッチリだし、走りも快適はハイランダーは、家族層に最もお勧めできるSUVのひとつ」と、評するのは、米有力誌ケリー・ブルー・ブックだ。また、同国で最も影響力のある自動車専用サイト、CNETロードショーは、少し辛口に「ついにアップルとアンドロイドに対応か! やっとライバル社にキャッチアップだ。遅かったけれど、多くのユーザーが喜ぶね!」と評価した。
メインマーケットであるアメリカを意識して、4代目ハイランダーはスタイリングがよりアグレッシブになり、存在感が強くなった。CNETロードショーのカイル・ハイアット氏は、「グリルを大きくして、フロントにもリアにもエッジの効いたデザインは不可欠ですね。横面の流れる線が特に気に入っていますが、リアの部分は少し不思議な形になっている。テールライト下のへっこみがまるで誰かが強く蹴ってへっこましたような感じです」という。
言うまでもなく、新型ハイランダーは、最近多くのクロスオーバー系の車種が採用するTNGAプラットフォームを搭載している。これは実は、この前日本で発表された新RAV4と全く同様のプラットフォームだ。
今回、一番話題になっているのは、燃費が17%も向上したハイブリッド仕様車の話。8人乗りで14.5km/Lという燃費は優れており、どのライバルにも負けないという。
つまり、ここまで向上しなければ、ハイブリッドに乗りたい人はそんな増えないということだ。というのも、2017年に21万台ほど売れた割には、ハイブリッドの割合はたった8%だけだった。
この新ハイブリッドには、もうひとつのアピールポイントがある。最大の効率を得るために、ドライバーの運転の仕方を学習し、GPSと連携してハイブリッドの電気モーターの作動を適度に入れたり切ったりするというのだ。
それでもまだ「ハイブリッドは……」という人のためには、295hpを発生する3.5LのV6仕様もある。ガソリンの価格が安いアメリカでは、このモデルの需要がまだ強い。
内装も新しい。一番のポイントは今回、アップル・カープレイとアンドロイド・オートに対応する12.3インチの大型タッチスクリーンが用意された。前述したように多くのメデイアは「対応が遅い」としつつも、この技術の初搭載に対しては高く評価している。シートの本革のオプションもあるし、全体的にトリムの質感レベルが上がっているので、室内はより高級感が目立つ。
ACCやレーンキープ搭載のトヨタ専用「セーフティセンス2.0 ADAS」の安全装備もついている。もちろん、緊急自動ブレーキ、ステアリング・アシスト、看板アシストなども合わせてついているけど、なぜか、重要なブラインドスポット・モニタリングは標準装備でなく、オプションになるらしい。
でも、顧客がクエスチョンマークをつける部分は、そこだけじゃないかな。外観スタイリングがアメリカ人好みでよりアグレッシブなこと、走りも安全装備も優れているし、何よりもアップルとアンドロイドが初搭載されたことは、高セールスにつながるだろうと僕は予想してる。
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