ある時、その集団の中に、自分の見知った人間がいたので、何のために集まっているのか訊いてみたら、これが「ポケモンGO」だった。いわゆる「ジム」という場所で、レアなポケモンが出現するので、それを倒して「ゲットチャレンジ」をしているというのだ。結構、年配の人もいて、あらためて、このゲームの年齢層の広さに驚いたりもした。
「ポケモン」こと「ポケットモンスター」、その実写映画化がついに実現した。しかも日本ではなく、アメリカのハリウッドでだ。タイトルは「名探偵ピカチュウ」(原題は「Pokémon: Detective Pikachu」)、日本では、この5月3日から全世界に先駆けて封切られた(アメリカ、中国での公開は5月10日)。
ポケットモンスターの実写映画化にあたっては、かねてからハリウッドの大手映画会社が動いており、ワーナー・ブラザース、ソニー・ピクチャーズ、レジェンダリー・ピクチャーズが、その権利をめぐって争奪戦を繰り広げていた。結局、レジェンダリー・ピクチャーズが、日本の「株式会社ポケモン」と実写映画についての契約を結び、2018年1月から撮影を開始。配給はワーナー・ブラザースに落ち着いた(日本は東宝)。
ハリウッドでの実写映画化の話は、直近でにわかに進んだ印象なのだが、追い風となったのは、冒頭でも紹介した「ポケモンGO(Pokémon GO)」の、全米での爆発的な人気であったとも言われている。
「Pokémon GO」は、アメリカでは、2016年の7月から配信が開始されたが、いきなりApp Storeでのランクで第1位を獲得、スマホゲームの利用者数としても歴代首位に浮上。また、全米各地でプレーヤーたちがポケモンの出現する場所に集まり、社会現象ともなった。その人気は依然持続しており、実写映画の公開で、さらに今後広がりを見せるかもしれない。
「ブレード・ランナー」的風景
映画「名探偵ピカチュウ」を製作したレジェンダリー・ピクチャーズは、ロサンゼルスに隣接するバーバンクに本社があり、過去には「ダークナイト」や「ハングオーバー!」シリーズ、「パシフィック・リム」などのヒット作や話題作を送り出しており、決して家族向けや子供向けの作品を手がけてきた会社ではない。それだけに、「レジェンダリーがつくるポケモンの映画は、どんなものになるのか」と映画界でも注目を集めていた。