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訪日外国人観光客(いわゆるインバウンド観光客)の増加が止まらない。2007〜12年まで800万人台で足踏みしていた訪日外国人数は、13年に1000万人台を超え、2年で倍増し、15年には約2000万人、18年には3000万人を超えた。

18年中の訪日外国人は旅行中に一人あたり15.3万円消費して、全員で4兆5000億円の消費を行っていると推定されている。GDP(国内総生産)を約0.8%押し上げていることになる。20年には東京でオリンピックも開催されることから、さらに訪日外国人数の増加が続くと考えられている。

このような急激な訪日外国人観光客の増加は、どのようにして可能となったのか。要因は3つある。

第一の要因は、査証(ビザ)要件の緩和、とくに中国人観光客についての査証要件の緩和は中国からの観光客急増を大きく後押しした。

第二の要因は、羽田空港の本格的な国際化である。第4滑走路がオープンして、国際線ターミナルビルが完成した10年秋以降、羽田空港国際線利用の日本人、外国人が急増している。しかも、成田空港の出入国者数は新たに就航したLCC(格安航空会社)の貢献もあり、微増を続けている。首都圏の国際線受け入れ容量の増加が貢献している。

第三の要因は、日本の物価が観光客にとって相対的に値下がりが続き、観光旅行先、ビジネス訪問先として、お手頃感が幅広く浸透してきたことにある。

第二の要因の羽田空港国際化について詳しく解説する。羽田空港の入国者数でみると、10年には200万人だったが、11年には350万人に急増、その後順調に増加して17年には800万人(10年比4倍)を超えている。うち、外国人は10年の75万人から17年の378万人へと(10年比5倍)、大きく増加した。

いまとなっては当然のように受け入れられている羽田空港の国際線は、じつは大きな論争を経て実現したものである。経緯は次のようなものである。

第一次安倍政権時代の06年、羽田空港の第4滑走路の建設にともなう羽田空港の活用法について議論が始まった。成田空港建設時に、大きな反対運動を押し切って建設に協力した千葉県にとっては、いまさら羽田空港に国際線を持っていかれては面白くない、と感じる感情的な部分があった。羽田の拡張で、成田空港の利用客が大きく減るのではないか、という経済的な心配もあった。

文=伊藤隆敏

VOL.17

財務省作成のQ&Aは102項目も。やっぱりやめよ...

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