「プリンシプル」にまつわる15の格言

世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーターのレイ・ダリオの著書「プリンシプルズ」は全世界でベストセラーに。ビジネスや人生における「プリンシプル(原則)」とは一体何なのか。古今の洞察者たちの言葉を紹介する。


我々がつねに感じていたのは、原理原則さえ正しければ、それがどの分野に応用されるかは問題ではないということだった。かけ算で問題になるのは大きさだけだ
──ヘンリー・フォード(フォード・モーター創業者、1863-1947)

仁者は必ず勇あり。勇者は必ずしも仁あらず
──孔子(思想家、前552年-前479)『論語』

多くの人は行動原理を根付かせずに、たびたび引き抜いてしまう。植えた花が育っているか見ようとして抜いてしまう子どものように
──ヘンリー・ワーズワース・ロングフェロー(詩人、1807-1882)

君の行動がつつがなく世界全体の法となるような原理にしたがって行動せよ
──イマヌエル・カント(哲学者、1724-1804)『道徳形而上学原論』

どんな集団においても、その経済活動を停止させ、成員を分裂させるもっとも簡単な方法は、原理に訴えることである
──ジャック・バーザン(哲学者、1907-2012)

私が愛するのは、困難のなかで笑える者、苦しみをとおして強くなる者、内省によって勇気を出す者である。尻込みは小心者のすることだ。一方で、確固たる心を持ち、良心に従って行動する者は、死ぬまでみずからの主義を貫くだろう
──トマス・ペイン(哲学者、1737-1809)『アメリカの危機』

当然のことながら、ある地点で人は孤立した頂を目指してすべての仲間と別れ、明晰な行動規範を求めなければならない。しかし、そのときが来るまでは、その人間が役に立つのなら、まわりの仲間たちとともに働かなければならない。彼らがもつ善が悪を上回っているかぎり、彼らとともに働かせ、得られる最良のものを求めさせなさい
──セオドア・ルーズベルト(アメリカ合衆国大統領、1858-1919)

立派な理想と信念が世代を超えて受け継がれるには、それが正しいだけでも足りないし、丹念に法制化されていてもなお足りない。理想と信念が世代を超えるのは、成長していく子どもたちの心に刻まれる場合だけである
──ジョージ・S・ベンソン(宣教師、1898-1991)

流れに乗るだけの者、高次の行動規範によってみずからを導かない者、理想も信念も持たない者—そういう人間は世界の部品のひとつにすぎない—動かされる物であって、みずから動く生き物ではない—こだまであって、声ではない
──アンリ・フレデリック・アミエル(哲学者、1821-1881)

私たちが仕事や社会生活において守っている行動原理は、幸福のもっとも大事な一部分なのです。我々は注意しなくてはいけません。幸福をつかんだからといって、幸福を生み出す美徳を失わないように
──ハリー・D・ハリスン(自動車部品流通業)

応急処置は一時間だが、行動原理は長年である。雨が降り風が吹くからといって、流砂のうえに建てることはできない
──ヘンリー・ウォード・ビーチャー(牧師、1813-1887)

前例は原理を保存する
──ベンジャミン・ディズレーリ(イギリス首相、1804-1881)議会演説にて

以下のようなことを君に強いるものは有益なものと考えてはならない。信を裏切ること、自己の節操を放棄すること、そして、光を浴びるにふさわしくない、世間に見せられない行いに君を導くようなこと
──マルクス・アウレリウス・アントニヌス(ローマ皇帝、121-180)『自省録』

「私は正しい」と考えるよりも、こう自分に問うようにしました。「私が正しいことはどうすればわかるのだろうか」
──レイ・ダリオ(ヘッジファンドマネジャー、1949-)

人が公表する諸原理は、どんな論争の主題についてのものであれ、たいていは彼らが実際に抱いている意見をきわめて不十分にしか表明していないものなのである
──ジョン・スチュアート・ミル(哲学者、1806-1873)『代議制統治論』

翻訳=有好宏文

この記事は 「Forbes JAPAN プリンシプル・カンパニー」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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