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Photo by Spencer Platt/Getty Images

テスラは4月24日、今年の第1四半期決算を発表し、7億213万ドル(約780億円)の損失を計上した。前年同期は7億955万ドルの損失だった。同社は昨年の下半期には2四半期連続で黒字を計上したが、再び赤字にもどった。

今期の赤字の原因は納車の遅れで、損失額はアナリスト予想の約4倍に達した。さらに、期中に9億2000万ドルの転換社債を償還したことで、3月末時点の手持ちのキャッシュは約22億ドル(約2460億円)と、18年12月末時点に比べ40%減少した。

「今四半期はテスラにとって創業以来最も複雑な四半期になった」と今年2月から同社のCFOを務めるザック・カークホーンは述べた。同社は年明けから、主力の小型セダン「モデル3」の中国や欧州向けの輸出を始めたが、予想外に出荷が滞った。

ニッチな高級EVブランドから量産車メーカーへの脱皮を図るテスラは今、重大な岐路に立たされている。同社は2月末に、イーロン・マスクの念願だったモデル3の最安値版を3万5000ドルで発売した。

より高価なクロスオーバー車両の「モデルY」やセミトラック型車両の生産も、来年には開始するというが、マスクはまだ製造工場を決めていない。車両のクオリティを維持しつつ製造コストを引き下げ、生産台数を維持するのは大きな課題になる。

テスラの今四半期の売上はアナリスト予想の54億ドルを下回る、45億ドル(約5000億円)で納車台数は約6万3000台だった。その大半はモデル3で、5万900台を顧客に引き渡していた。セダンの「モデルS」とクロスオーバー車の「モデルX」は合計で1万2100台だった。

「投資家らは今四半期のテスラが損失を出すと予測していた。しかし、これほどまでの損失額は、誰も予測していなかった」とケリー・ブルー・ブックのKarl Brauerは述べた。

テスラは4月初旬に、納車台数が前四半期の3分の1近くになる見込みであると発表し、需要が減少しているとの懸念が広がった。

「テスラは米国でブランドの支持率を下げつつある」とEdmundsのアナリストのJessica Caldwellは述べた。同社は昨年、モデル3が米国の高級車市場で、BMWやメルセデスらを抑え「売上ナンバーワンの高級車」であると宣言したが、Edmundsのデータでは今四半期に製造された車両の多くは、海外市場向けに出荷されており、米国での需要の低下が伺えるという。

自動運転では野心的プラン

テスラは手持ちのキャッシュを22億ドルまで減らしているが、ディーラーに車を販売する一般的な自動車メーカーとは違い同社は、顧客に車両を納車するまで売上を計上できない。中国でのモデル3の納車の遅延は、手持ちの現金の減少につながる。

マスクは今年の製造台数目標を、以前と変わらぬ36万台から40万台としているが、上海の新工場での生産開始は2019年末になる見込みで、アナリストは懸念を示している。

「上海の新工場では週あたり1000台以上、さらにいうと2000台の生産も見込める」とマスクはカンファレンスコールで述べた。

テスラは今回の決算発表の2日前、「自動運転の日(Autonomy Day)」と名乗るカンファレンスを開催し、2020年に100万台の無人タクシーを展開し、それを走らせる「3倍の性能アップ」を果たした「世界一の自動運転コンピューター」を自社で設計するというダイナミックな計画をぶちあげた。

しかし、アナリストの多くはこの計画が非現実的だとしている。テスラ株は年初には340ドル以上で取引されたが、現在は260ドル付近まで下げている。

編集=上田裕資

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