IT界No.1の「哲学者」兼CEOともいわれるベゾス。その「名言」は、読むべき書からストレス対処法(大声で笑え、だそうだ)まで広範にわたるが、ここではビジネスに関するものをご紹介しよう。
#1 変わらないものを軸に戦略を立てよ。
「選択肢はより多く、価格はより安く、配達はより迅速で確実に」。ベゾスはこの3要素を、顧客が「変わらず求め続けるもの」として定義し、すべての戦略を立てた。変わらないものに軸を置かなければ、長期的な成長は望めない。
#2 顧客に執着せよ。
ベゾスは会議室に誰も座らない椅子を持ち込み、そこにアマゾンにおける最も重要な人物=顧客が座っていると仮定した。現在、この椅子の役割は特別に訓練された社員が果たす。彼らが眉をひそめると、幹部たちは震えだす。
#3 我々は長期間にわたって誤解されることを厭わない。
アマゾンの新規事業の多くは当初、採算の合わない道楽に見える。ゆえに、しばしばアマゾン株は暴落し、アナリストの冷笑を誘う。しかしベゾスは意に介さない。意義のある事業なら、花開くまで5~7年かかろうと問題ない。
#4 会社には2種類ある。高く売るために努力する会社と、安く売るために努力する会社だ。我々は後者になる。
コスト削減の結果を顧客に還元すると喧伝する会社は多くある。しかし、アマゾンほど徹底してこれを実行する会社は少ない。創業時から同じ机を使い続けるベゾスが得たものは、900億ドルの株式時価総額と、35%の収益増だ。
#5 顧客のニーズから逆算せよ。
キンドルのようなアマゾンの新規ビッグプロジェクトの仕様は、エンジニアの嗜好ではなく、顧客のニーズにより決定される。逆に、顧客に受け入れられない商品は容赦なく打ち切られる。それが、巨大な部門をつぶすことになろうとも。