第1回となる本アワードは、asoview!と提携している約6000社から、最もゲストを魅了する遊び・体験を提供している事業者を表彰する企画。 「ワクワクを届けた数(申込数)」「ゲストの評価(あそレポ投稿数)」「顧客満足度(リピート獲得率)」などの評価項目を設け、GOLD、SILVER、BRONZEの各賞を選出。また、「BEST REGIONAL賞(全11エリア)」や「NEW ENTRY賞」など、テーマ別の部門賞を発表した。
アワード会場には、北は北海道、南は沖縄県から日本全国のアワード受賞者が集結。アワードに関心がある100以上の事業者も出席する中、アソビュー社代表の山野智久からの挨拶、観光庁の田端浩長官による基調講演をはじめ、「遊びの考え方」「売上向上施策」「新機能の紹介」など3つのセッションが行われた。
日本全国から100以上の体験事業者が集結した
今回「GOLD」に輝いたのは、奄美大島でスキューバダイビングやシュノーケリングを提供しているアマミエンシス。「SILVER」は葉山でSUP(スタンドアップパドルボード)を提供するTOMO’S スタンドアップパドル ボーディングスクール、「BRONZE」は逗子で同じくSUP提供するOCEANSが受賞し、陶芸やハーバリウムなどのインドアの遊びも多数ある中で、マリンスポーツがTOP3を独占する結果となった。
ライト層のニーズに対応した新規プラン
「GOLD」を受賞したアマミエンシスは、15年前にスキューバダイビングショップとして開業。代表を務める金原さんは、和歌山県でダイビングインストラクターを経て、17年前に奄美大島に移住した人物だ。
GOLDを受賞したアマミエンシスの金原さん
ダイビングのショップではあるが、今回、アマミエンシスが評価されたアクティビティはスキューバダイビングではない。観光客向けに始めた、ウミガメに出会い一緒に泳ぐことができるシュノーケリングツアーが受賞の決め手となった。金原さんが、「移住当初には想定もしていなかった」と言うのもそのはず、これは時代やニーズの変化に沿って、生まれた体験プランだった。
奄美大島の観光事情はここ数年で激変している。その最も大きな要因は、2014年に就航したLCC、バニラ・エアの存在だ。これにより、シーズンによっては成田空港から奄美大島まで往復1万円以内で行けるようになった。グラフの通り、同年から入込客数が年々増加し、現在は90万人に到達する勢いだ。
LCCにより、客層も変化。ふらっと気軽に奄美大島を訪れる観光客が増えた。その概況を捉えた体験プランが「ウミガメと泳ぐ、シュノーケリングツアー」なのだ。
そのため、体験者の半数以上は、シュノーケリング経験のない客層だ。「離島のきれいな海で、ウミガメと一緒に泳げる」という分かりやすさが、マリンスポーツに特段関心が強くなかったライト層のニーズを捉えた。口コミやSNSの影響もあり、体験者数は年々増加傾向にある。