Close RECOMMEND

フォーブス ジャパン編集部 エディター


──河野さんはD2Cブランドの盛り上がりを、どのように見ていますか?

2013年頃、アメリカを訪れたとき、D2Cが盛り上がる兆しを感じました。アメリカは2階がファクトリーで、1階が交流の場になっているのが一般的。インターネットによる発信に加えて、そういうリアルな売り方を今ではD2Cと呼ぶわけですが、将来的にはこれが広がっていく感覚はありました。

エバーレーンがD2Cブランドの先駆け的な存在で、その後、世界中で類似モデルが広がっていったんです。その様子を見ていて、2013年当時、日本にはD2Cブランドが無かったのですが、これは“オンライン化”が進むと同時に、人々のイマジネーションを実現するインフラが必要だと思い、立ち上げたのが「sitateru」です。

──リリースから約4年。個人のユーザーはもちろんのこと、企業やスタートアップの衣服づくりでもsitateruは使われてきました。より衣服づくりを手軽にする一方で、sitateruはANREALAGE(アンリアレイジ)などのエッジが立ったブランドにも使われています。ここにはどのような狙いがあるのでしょうか?

我々と提携してくれている優れた技術を持った工場が、衣服づくりに並々ならぬこだわりを持ったファッションブランドと組み、外に出していくことも必要です。そうしなければ、日本の工場の技術力はどんどん落ちてしまい、最終的には工場そのものがなくなってしまう。

15年前は15000も工場があったのですが、現在は5000程度の工場しかない。その5000の工場もどんどん減っていっている。そうした工場の閉鎖に歯止めをかけるためにも、海外に打って出ているファッションブランドには特にsitateruを使ってほしいと思います。



「プロパー消化率」が低いのは不健全

──2018年2月にサイトの作成から受注、生産、販売までを一元管理できるECシステム「SPEC」をリリースされています。これはどのような課題感から立ち上げたのでしょうか?

アパレル業界には「プロパー消化率」という言葉があります。これは全体の在庫に対して定価販売できる割合のことを指しており、プロパー消化率を高めることがブランドの運営において大事になってきます。しかし現状、定価で売れる割合は全体の30〜40%。残りの30〜40%はセール、アウトレットで販売されており、その他はブラックボックス化している。

プロパー消化率が低いと「衣服は大量に生産し、在庫になれば値引きすればいい」という考え方が一般化してしまう。結果的に在庫を抱える前提で衣服をつくり、原価率を極限まで低くしなければならないわけです。消費者の手に届くときにはそれなりの価格になっている。それは非常に不健全な状態だと思うんです。

写真=小田駿一

PICK UP

あなたにおすすめ

合わせて読みたい