祖母の名でブランド立ち上げ 南アの女性ワインオーナーの挑戦

「ASLINA(アスリナ)」ブランドオーナー ヌツィキ・ビエラ


──最後に、ヌツィキさんのこれからの目標を教えてください。

愛に溢れた、思いやりのある世界を作る一員になりたいです。誰かが困っていたら、気づいた人が手を差しのべて、共に歩んでいく世界こそが私の目指す世界です。

南アフリカの経済問題は今も深刻で、成功するために駆け上っていく人を、引きずり下ろそうとする人も残念ながらたくさんいます。思いやりで溢れた世界が実現すると、国内の様々な問題は解決すると信じています。そのためにも私は今の仕事を通じて多くの人を助けたいです。

現在私は、ピノタージュ若者育成アカデミーという教育機関で、黒人と混血人を対象にキャリア支援を行なっています。生徒は18歳から25歳が中心で、女性の活躍をサポートしたいという思いから、女性が約6割を占めています。

卒業後にドバイや中国、アメリカなどでソムリエとして活躍している姿を見ると、かつての私を見ているようで胸が熱くなります。彼女たちがいれば、私が理想とする世界も実現できるのではと思えてきます。これからもキャリア支援を通して、世界の進化を見届けたいですね。


ヌツィキ・ビエラ◎南アフリカ初の黒人女性醸造家。「ASLINA」ブランドオーナー。南アフリカ東部クワズール・ナタール州出身。1999年に南アフリカ航空の奨学金を受けウェスタン・ケープ州のステレンボッシュ大学でワイン醸造家を学ぶ。2013年にASLINAを創業、2019年サクラアワード 金賞のほか、国内外で数々の賞を受賞するワインを生産する。2019年4月より、日本国内でもオンラインショップから販売を開始。

構成=裵麗善(ぺ・リョソン) イラスト=Luke Waller

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