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2019.04.24

予想外の業績で株価急騰、ツイッターが歩んだ「苦闘の歴史」

Photo illustration by Chesnot/Getty Images

ツイッターは4月23日、2019年の第1四半期(1〜3月)決算を発表。売上は前年同期比18%増の7億8700万ドル(約880億円)に達し、最終利益も3.1倍の1億9100万ドルを達成した。

同社はプロダクトの改善を進め、不快なコンテンツを排除した結果、より多くのユーザーと広告主を呼び込み、業績を回復させた。売上高と利益はともに市場予想を上回り、ツイッターの株価は前日比16%高の急騰となった。

ツイッターの好調な業績は、ウォールストリート関係者に驚きをもって受け止められた。同社はここ数年、ユーザー数の伸び悩みに直面し、2016年の第4四半期には1億6700万ドルの損失を計上していた。

CEOのジャック・ドーシーは2017年2月のカンファレンスで、同社のオペレーションには「集中と統制」が欠けていたと発言し、戦略ミスを認めていた。

「過去10年の間、数百通りにも及ぶツイッターの利用事例を目にし、それらの全てに対応しようとしてきた。そのやり方は間違いだった」と、当時ドーシーは述べていた

投資家らはツイッターの収益性の低さに加え、不適切な投稿を放置していることにも不満を募らせていた。さらに、同社はここ数年、社内のマネージメントの問題にも直面していた。

ツイッターでは2015年7月に前CEOのディック・コストロが辞任して以降、100日以上もの間、後任者が決まらないという異常事態が発生した。

10月にはドーシーが「暫定CEO」という形で会社を率いることになったが、彼は同時に決済会社スクエアのCEOも務めており、副業のような形で彼がツイッターCEOを務めることに、ウォールストリートは懸念を高めていた。

その翌年も社内の混乱は続き、広告部門を率いてきたCOOのアダム・ベインが退社したほか、2016年末にはCTOのアダム・メッシンガーや製品部門のヴァイスプレジデントのジョシュ・マクファーランドらが退社した。
Recodeによると、2016年にツイッターの上級エグゼクティブの60%が会社を離れていた。

そんなツイッターが創業12年で初の黒字を計上したのが2017年の第4四半期だった。同期の売上高は7億3200万ドルで、9100万ドルの純利益を確保した。

今回の決算でツイッターの1日当たりのアクティブユーザー数(DAU)は1億3400万人に増加し、アナリスト予想の約1億2840万人を上回った。昨年の第4四半期時点のDAUは1億2600万人だった。

決算発表の場でドーシーは「今後もユーザーの興味に合うコンテンツを迅速に提供する施策を進め、より良いユーザー体験を提供していく」と述べた。

「ツイッターのタイムラインには、人々が関心を持つ事柄やイベント、トピックが流れている。ユーザーは彼らの興味に合う投稿やアカウントを探している」

同社は不適切な投稿や荒らし行為を通報する機能を強化し、マシンラーニングを用いて不快なコンテンツを排除する試みも継続中だ。

編集=上田裕資

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