ビジネスマンの新常識 「教養」としての健康情報


なぜなのでしょうか。ひとつの要因とされているのは、痛みに対する「恐怖心」です。

ぎっくり腰は、欧米では「魔女の一撃」と呼ばれるくらい激しい痛みを伴います。「あんな痛みはもう二度とごめんだ」という恐怖心を覚え、腰を安静に保っておこうという意識が生まれます。

すると、先ほど記したように、痛みが治りにくくなります。そうしているうちに「この痛みはずっと続いてしまうのではないか」と恐怖心が増し、さらに動くことに消極的になる…。こうした悪循環が続くうちに、脳が痛みをコントロールする仕組みにまで影響が及んでしまうのではないか?と考えられています。

ぎっくり腰になったら「痛み止めを使い、できるだけ普段の生活をする」のがお勧め

そこで現在では、ぎっくり腰になったときには安静にするのではなく、早めに痛み止めやシップなどで痛みを抑えたうえで、できる範囲で普段と変わらない生活をするよう心がけることが推奨されるようになっています
(なお「無理」は禁物です。ぎっくり腰のすぐ後に激しい運動をしたり、重いものを持ち上げたりすることは症状を悪化させるリスクになります。また、それぞれの人に適切な治療はその人の状況によって異なります。安静が必要なケースが全くないわけではありません。既にかかりつけの医師による治療や指導を受けている場合は、そちらをお守りください)。

いま、日本で腰痛に悩む人はおよそ2800万人、40~60代の働き盛りの4割ほどが腰痛で悩んでいると推計されています。(吉村典子ら 厚生労働研究(2012年度)報告書)
腰痛は、私たち一人ひとりにとって重荷なのはもちろん、社会全体にとっての課題だとも言えるでしょう。

「腰痛は、怖くない!」一人ひとりがそう考えるようになることが、国民病・腰痛の克服のための第一歩なのかもしれません。

文=市川衛

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