経済・社会

2019.04.30 09:00

アメリカ在住の移民、母国への仕送り額は年間1480億ドル以上

ja-images/Shutterstock.com

世界中の移民のうち、かなり高い割合が、移住先で得た収入の一部を、自国の家族を支えるために送金している。そうした仕送りをすべて合わせると、膨大な額となる。年間で、発展途上国へと流れ込む最大規模の国際援助ひとつ分に匹敵するほどだ。

調査会社ピュー研究所が世界銀行の数値をもとに分析し、2019年4月初めに発表したデータによると、2017年の送金総額は推定で6250億ドル(約69兆8900億円)に上る。2016年の送金総額は5860億ドル(約65兆5300億円)だったので、7%増えたことになる。

アメリカだけを見ても、2017年には1480億ドル(約16兆5500億円)以上が、他国に住む個人宛てに送金されたと見られている。また、2004年の調査では、当時アメリカに住んでいた中南米出身者1650万人のうち60%を超える人が、定期的に祖国の家族に送金していたことが明らかになった。

世界銀行の最新数値を分析したピュー研究所のデータによれば、アメリカからの送金先として最も多いのはメキシコで、その額は300億1900万ドル(約3兆3600億円)だった。次に多いのが中国で、送金総額は161億4100万ドル、3番目がインドで117億1500万ドルだった。

送金先は発展途上国とは限らない。韓国とドイツが11番目と12番目にランクインしており、2017年の送金額はそれぞれ28億3400万ドルと28億100万ドルだった。

アメリカに住む移民が2017年に自国へ送金した額

1. メキシコ :300億1900万ドル(約3兆3600億円)
2. 中国 :161億4100万ドル(約1兆8000億円)
3. インド :117億1500万ドル(約1兆3100億円)
4. フィリピン :110億9900万ドル(約1兆2400億円)
5. ベトナム : 77億3500万ドル(約8600億円)
6. グアテマラ : 77億2500万ドル(約8600億円)
7. ナイジェリア : 61億9100万ドル(約6900億円)
8. エルサルバドル: 46億1100万ドル(約5200億円)
9. ドミニカ共和国: 45億9400万ドル(約5100億円)
10. ホンジュラス : 37億6900万ドル(約4200億円)
11. 韓国 : 28億3400万ドル(約3200億円)
12. ドイツ : 28億 100万ドル(約3100億円)

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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