4月22日にCNBCが伝えたところによると、アップルは2018年に3億5000万ドル(約390億円)をAWSの利用料として支払い、今年の支払額は3億6000万ドルに及ぶ見込みという。さらに、アップルはアマゾンに対し今後5年間で少なくとも15億ドルを、AWSの利用料として支払う契約を結んだという。
ただし、クラウドサービスに莫大な費用を支払うのはアップルだけではない。スポティファイは今年、グーグルのクラウドサービスの利用料として、3年間で4億4700万ドルを支払う契約を締結していた。
ネットフリックスもこれまで、月に数千万ドルをAWSに支払っていたが、最近になりグーグルへの乗り換えを検討中という。また、ライドシェアのリフトが先日提出した、上場申請書類からも、同社が3年間で3億ドルをAWSに支払うことが明らかになった。
スナップチャットを運営するスナップも、今後5年間で30億ドルの予算を、グーグルやアマゾンのクラウドサービス向けに用意している。
しかし、ここで気になるのはアップルとアマゾンの競合関係だ。2社は共にストリーミングサービスを展開し、音声アシスタント機器を販売し、アプリストアも持っている。アマゾンはかつて、自社のスマートフォンFire Phoneを発売したが失敗していた。
テック業界の企業らはお互いが敵でもあるし同志でもある。アップルとアマゾンの関係は特に複雑で、敵対的な場合のほうが多い。アマゾンのキンドルのiOS版では、アップルの課金が使えない。アップルはかつて、アマゾンが「アップストア」という名称をアプリストアで使用することを権利侵害だとして訴えていた。
しかし、クラウドサービスにおいては、アップルはアマゾンに頼るしかないようだ。
2017年のクラウド業界のレポートでは、AWSを利用する企業らは毎年、64億ドルもの余計な費用を、不必要なストレージに支払っているとされた。しかし、企業にとってデータの保護は必須のことであり、彼らは無駄を覚悟してでも、この費用を払っている。