チョコレート市場の潜在力
市場調査会社ユーロモニターによれば、細分化されている世界のチョコレート市場は、菓子市場全体と比べて成長のペースが速い。市場の規模はおよそ1100億ドル。その中で、昨年のゴディバのシェアは17位となる約0.8%だった。1位はシェア5.2%を握るキャドバリーだ。
一方、200億ドル規模の米国市場での昨年のゴディバのシェアは、およそ1.8%。ランキングでは14位となっている。シェアのトップはハーシーズの「リーセス」とマースの「M&M」。いずれも約13%を獲得している。
世界のチョコレート市場は「拡大している」と語るヤング・スクリブナーは、「特に急速に成長しているのは、わが社が扱う超高級チョコレート部門だ」と指摘する。
経験を求める消費者に対応し、直接的な関わりやコミュニケーションを強化することを目的に、カフェやレストランを開業する食品ブランドは増加している。ゴディバの野心的な計画も、こうしたトレンドを反映したものだ。
ゴディバのカフェは、ミレニアル世代など若い消費者が求めるモバイルオーダーやデリバリ―・サービスも提供する。「消費者は時間に追われている」というCEOによれば、同社はますます活動的になる消費者のために、「グラブ・アンド・ゴー(手に取ってすぐに店を出られる)」商品を重視している。
「消費者には、家で料理をする時間がない。私たちは確実に消費者のニーズに応え、彼らの生活の重要な一部になることを目指している」──ニューヨークの新しいカフェの営業時間は、既存の店舗よりかなり早い午前6時からとなっている。