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2019.05.04 10:00

旅行業界で高まり続ける中国の影響力 言語習得が必須に?

Gubin Yury / Shutterstock.com

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人口動態や人口分布の変化が将来に決定的な影響を及ぼすと思うなら(全ての人がそう考えるわけではないが)、中国語を学び始めるべきだろう。韓国語もいいかもしれない。旅行業界で働くなど、将来はホスピタリティー産業に関わりたいと思っているなら、なおさらだ。

中国の消費者が国外への旅行に使った金額は昨年、2580億ドル(約28兆8000億円)近くに上った。中国に次いで支出が多かった米国と、3位だったドイツの支出の合計額の2倍を上回る金額だ。

国外に旅行する中国人が増えたのは、比較的最近になってからのことだ。それも、人口のわずかな割合を占める人たちが旅行しているにすぎない。だが、その小さな割合でも、国境(境界)を超えて旅をする人の数は、年間1億人を大幅に超えている。

旅行保険を販売する英ゲットゴーイングの調査によれば、国外に旅行した人の旅客機での平均移動距離は昨年、中国人が約105kmだった。米国人は約365km、ドイツ人は458km、英国人は436km。カナダ人は他国を大きく上回る1017 kmだった。

中国の人口は世界で最も多い約14億人だが、それにもかかわらず、国外に旅行した人たちの平均移動距離は短い。つまり、中国人の旅行には、次のような特徴がある。

・国外に旅行できる経済的な余裕がある人の数は年々急速に増加しているが、人口に占める割合は小さい

・国外に旅行する中国人の多くが、実際には近隣国(本土以外の中国領)に滞在している。行き先の大半は香港、マカオ、台湾だ。友人や親戚を訪ねることや、カジノその他の娯楽が目的の旅行である場合が多く、旅行者数は香港が4450万人、マカオが1720万人、台湾が1070万人となっている。

中国の中間層はますます拡大し、国外に旅行できる経済力を持つ人が増加している。旅行に関心を持ち、実際に国外に行く人が増えれば、中国から遠く離れた土地を訪れる人が増え、支出額もさらに大きく増えていくだろう。

また、中国と同様、韓国人旅行者の移動距離も目立って短い。主な旅行先が、日本と中国、タイ、そして米国となっているためだ。同国の経済状況から見て、行き先がさらに遠くなり、現在はそれほど多くの人が訪れているわけではない場所への旅行が人気を集める可能性もある。そうなれば中国と同じように、旅行先での支出が大幅に増えることになるだろう。

ゲットゴーイングによると、国外への旅行に費やされた金額は昨年、2位の米国が約1350億ドルだった。トップ10に入ったその他の国と支出額は、以下のとおりとなっている。

ドイツ(891億ドル)、英国(714億ドル)、フランス(414億ドル)、カナダ(318億ドル)、韓国(306億ドル)、イタリア(277億ドル)、オーストラリア(342億ドル)、ロシア(311億ドル)

編集=木内涼子

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