CMOを採用し、マーケティング活動にも本腰
今回、スタディストがリブランディングに踏み切った背景にあるのは、単純なマニュアル作成ツールから脱却することもそうだが、もともと「Teachme Biz」の仕組み自体がSOPの定義に不可欠な工程定義に適していたこともある。
SOPは安全確保や品質維持などのために、具体的な作業や進行上の手順を各作業ごとに順序立てて説明したもの。「Teachme Biz」は工程の定義がしにくい動画マニュアルツールとは異なり、ステップ構造で、作業の内容を画像や動画のビジュアルデータをもとにしている。そのためSOPの要件を満たしており、“ビジュアルSOP”と言った方がサービスの魅力を最大限に訴求できるという。
4月24日には、作成したSOPの質を担保するために、承認申請の機能を追加。今後もビジュアルSOPの管理、運用する基盤につながる機能強化を積極的に推進していくとのこと。
「海外では一般的な言葉として受け入れられているSOPですが、日本ではまだ浸透していない言葉。Teachme BizをビジュアルSOPマネジメントプラットフォームとして認知してもらうためには、きちんと投資をして、マーケティングを行っていくことが重要になると思っています」(鈴木)
リブランディングにあたって、スタディストはCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)も採用し、マーケティング活動に本腰を入れていく予定だ。
オープンAPI構想でサービス連携を強化、海外展開も
また、鈴木は「ここ数年でサブスクリプションモデルが台頭したことで、サービスを提供する企業は継続的な利用、安定稼働を促進することが求められています。それに伴って、サービス利用における分かりやすいオンラインヘルプや手順書の公開、および高品質なサポート体制が必要になっている」と語り、今後「Teachme Biz」のAPIを解放し、他社サービスとの連携も図っていくという。
すでに2019年4月1日よりSalesforceとのAPI連携により手順書をSFA上でダイレクトに表示できる『Teachme Biz for SFA』の提供を開始しているが、その動きをより加速させていくという。
さらにCTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)の佐橘一旗は「他サービスとの連携を想定した認証基盤を開発していく」と語り、新規事業の展開も積極的に行っていくそうだ。
CTOの佐橘一旗
そのほか、飲食業、小売業などのASEAN進出が今後、より一層進んでいくことが予測されていることから、スタディストは、『Teachme Biz』の海外展開にも注力。日系企業の海外進出の強力なパートナーとなることを目指し、2020年2月までに海外で新たに100社への導入を目指すという。