ビジネス

2019.05.27

「キッズ向け古着」でEコマースを革新する米女性起業家

Oleksiy Rezin / Shutterstock.com

母親たちが子供服を買いに出かけるのは大変な作業だ。ショッピングモールの通路を駆け回る子供らに目を配りつつ、サイズの合う手頃な価格の服を選ぶのは非常に手間がかかる。

シアトルの女性起業家、Elise Worthyはこの課題に気づき、古着の子供服の詰め合わせが届くサービス「Kids on 45th」を立ち上げた。ここに収められた衣類は、一般的な新品のアイテムよりも70〜90%も安い。

2017年設立のKids on 45thは先日、330万ドル(約3億7000万円)をシアトルの大手ベンチャーキャピタルMaveronらから調達したとアナウンスした。

「母親たちのためのEコマースサイトとして、新しい市場を切り開いていきたい」とWorthyは述べた。創業3年のKids on 45thはこれまで50万件近いアイテムを全米に送り届けてきた。

Kids on 45thの顧客らは、サイト上から個々のアイテムを選ぶのではなく、大まかなスタイルとサイズを指定して、ボックスを受け取る。価格はウォルマートよりも大幅に安く、1アイテムあたりの値段は2ドル程度からだ。

同社はこれまでのEコマースの常識を排除することで、安値を実現した。顧客はボックスを受け取るまで、何が届くか分からないのだ。

Worthyは創業当初、Yコンビネータのプログラムに申請し、審査をパスしたという。しかし、プログラムが始まる頃には既に事業が軌道に乗り始めていたため、受講をあきらめた。

「Yコンビネータは、それでもKids on 45thを出身企業のリストに掲載してくれて、とても感謝している」と彼女は話した。

Kids on 45thはシアトルで15人を雇用し、テキサスの物流センターでも15人を配置している。販売する古着は全米各地のGoodwill やサルベーションアーミーなどのNPOや、古着店から仕入れている。

「アイテムのセレクトは厳格な基準を設けて行っている」とWorthyは話す。服選びで考慮に入れるのは素材やスタイル、全体的なクオリティというが、ブランドについては完全に無視するというのがKids on 45thのポリシーだ。

つまり、ターゲットやウォルマートの衣類が、ラルフローレンなどのブランドの服と入り混じって届くのだ。これは、ブランドの衣類に手が届かない低所得の家庭にとってはとても有り難い。

「これこそがKids on 45thが自慢できるポイントだ。顧客らは同じ価格をボックスに対して支払い、何が届くかは箱の中身を見るまでわからない」とWorthyは語った。

編集=上田裕資

ForbesBrandVoice

人気記事