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2019.05.09

「酒造りの神様」が地元食材に注目。地方創生につながる、新たな挑戦とは。

2017年11月、「酒造りの神様」と称えられる農口尚彦氏(86)が杜氏をつとめる酒蔵「農口尚彦研究所」がその酒造りをスタートさせたことは読者諸兄の記憶に新しいだろう。


農口尚彦杜氏、1932年石川県能登町生まれの現在86歳。祖父の代からの杜氏の家に生まれ、16歳で酒造りの世界に。歴史ある全国新酒鑑評会で連続12回を含む通算27回の金賞を受賞。

農口尚彦杜氏とは、1970年代以降に低迷を続けた日本酒市場にあって、吟醸酒をいち早く広め、吟醸酒ブームの火付け役となり、また山廃仕込みの技術を復活させたことから、失われつつあった山廃仕込み復活の立役者ともなった、その人である。70年に及ぶ酒造り人生の中で数々の銘酒を生み出してきたが、80代半ばとなって「いま求められている酒づくり」と「後進育成と市場の醸成」を自身最期のミッションとして掲げ、2018年から「農口尚彦研究所」で酒づくりをスタート。現在2期めを迎え、ますます味わい深い酒を生み出している。


「Saketronomy(サケトロノミ―)」の会場となったのは農口尚彦研究所内の有料テイスティングルーム「杜庵(とうあん)」。酒米の畑を望み、開放感のあるモダンな設えだ。

その「農口尚彦研究所」にてこのほど、日本酒と地元である石川県小松市の食材をペアリングさせるプロジェクトがスタートされた。名付けて「Saketronomy(サケトロノミ―)」。酒とガストロノミーをミックスした造語でおわかりの通り、「農口尚彦研究所」による美酒の数々と小松産のフレッシュな食材を使用したガストロノミックな料理をペアリングで楽しめる趣向に、ソムリエの田崎真也氏をはじめ、多くのゲストが酔いしれた。調理を手掛けたのは、フランス料理の世界大会で日本代表として活躍した高山英紀シェフ(メゾン・ド・タカ芦屋)である。

ではここでいくつかそのペアリングをご紹介していこう。


「小松産野菜の有機圃場のお米 ミルクレープ寿司」に「YAMAHAI MIYAMANISHIKI 無濾過生原酒2018」


「サフラン風味のビスクドオマール」に「山廃純米酒2017」


「鮑と筍のガレット仕立て 茄子のコンフィ 木の芽風味」に「YAMAHAI GOHYAKUMANGOKU 無濾過生原酒2018」


高山シェフのスペシャリテである「4種の貝と野菜を使った温かいシャルトリューズ ソースブールブラン」に「純米大吟醸 無濾過生原酒2017」

眼にもおいしい料理の数々だが、その食材はつとめて小松産を使用。なかでも野菜は有機JAS認証である西田農園のオーガニック野菜を主に採用し、その春らしい青菜のフレッシュな苦みや、根菜の奥深い甘味は都会から訪れたゲストたちの舌をも魅了していた。

そもそも2017年のオープン以来、蔵を訪れるゲストの約30%が東京からの来訪者であり、またインバウンドも10%を占めるということだが、農口杜氏による酒づくりの求心力はかようにも大きい。

今回、その農口杜氏が小松の生産者たちとタッグを組むことでより大きな観光資源が生まれるのではないか、小松を「美食のまち」として発信することでその魅力を拡大し、県産食材のブランディングにもつながるのではないか、と石川県はこの「Saketronomy(サケトロノミ―)」を「いしかわ魅力“再発見”コンテスト」のプロジェクトのひとつとして採択。今後は年に4回、国内外の一流シェフを招いて、小松の酒と食による魅力をアピールしていくのだという。


高山英紀シェフ、「メゾン・ド・タカ芦屋」エグゼクティブシェフ。

今回のペアリングについて高山シェフは「フランス料理と言えばワインを合わせるのが定法ですが、農口杜氏の酒はほどよいキレと酸味でフランス料理の食中酒として充分に応えてくれるバランスの良さがすばらしい。自分の料理も日本酒と合わせることで表情が変わっていく手ごたえを感じることができました」と満足そうな表情を見せていた。

また農口杜氏も「高山シェフのお料理は一品一品が見事にお酒とマッチしていました。その中で気づいたのは山廃仕込みのポテンシャル。改めて山廃は洋食と相性が良いようです。山廃は米の味をしっかり引き出し、キレが良いのが特徴ですが、とくに油を使うお料理には山廃の酸が油を切ってくれて調和がとれるのですね。冷酒でも燗でもうまいし、コクがあるのでシェフもお料理と合わせやすいのだと感じました。今年は本格的に輸出を始めますが、山廃をたくさん輸出して各国の反響を聞きたいですね」と今後の抱負を語る。


今回の「Saketronomy(サケトロノミ―)」に使用された「農口尚彦研究所」のラインナップ。2期目の酒造りを終え、ヴィンテージも2017と2018の2種となった。

そもそも小松は日本海側に漁港を、内陸部に日本中の高級レストランに野菜を卸す有機野菜の生産者を擁し、山菜、ジビエも潤沢に採取・狩猟できるという、海の幸と山の幸に恵まれたエリアだ。この地の利を生かし、「酒造りの神様」が導く「Saketronomy(サケトロノミ―)」は小松の新しい魅力を引き出し、地方創成の新しいソリューションのひとつとなるに違いない。次回開催は夏ごろの予定だが、一般ゲストの参加も可能になるとのこと。楽しみだ。


問い合わせ先
農口尚彦研究所
https://noguchi-naohiko.co.jp/

Promoted by 農口尚彦研究所 文=秋山 都

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