トロントとロサンゼルスに拠点を置くモバイル広告企業「Adloop」は、この分野の小売店向けに新たなソリューションを提供する。Adloopはこれまで、人々の年齢と位置情報をベースに、特定の人々に向けた広告を配信してきた。同社はこのテクノロジーを活用し、大麻販売店に立ち入った履歴を持つスマホ限定で広告を配信する。
Adloopは創業者のJosh Segalは6年前に同社を設立し、30人近くを雇用している。昨年、Segalはマリファナ関連の広告市場の魅力に気づいた。なぜなら、グーグルやフェイスブックはこの市場に参入していないからだ。
Adloopは大麻販売店の店舗にジオタグを設定し、エリア内に入ったスマホの位置情報を取得している。大麻販売店に立ち入ることができるのは21歳以上であるため、このデータを活用すれば効率的に広告を配信できる。Adloopは提携するアドネットワークを通じて、関連アイテムの広告を利用者のスマホの画面に配信する。
「当社は非常に厳密にターゲティングされた顧客のデータベースを構築している」とSegalは述べた。
Adloopは当初、カナダでこの広告ネットワークの運用を開始し、米国市場に乗り込んだ。今年の2月だけで、同社はカリフォルニアの大麻販売店に立ち入った1万4000台のスマホの位置情報を取得した。同社は端末のデバイスIDを取得し、他のデータベースと組わせることで顧客の居住地や収入、好みなども識別できるという。
SegalによるとAdloopの売上に大麻業界が占める比率はまだ10%程度だというが、この分野は2019年に大きく伸びると見込んでいる。米国の連邦政府が大麻を完全に合法化しない限り、フェイスブックやグーグルがこの分野に進出する可能性はない。「ニッチな市場だが非常に魅力的だ」と彼は話した。
Adloopはこれまで約200の大麻関連の小売店と契約を結んだ。それらの店舗にとって、同社のターゲティング広告は非常に重要なプロモーション手段だ。Segalは今後の事業の拡大に向けて、大麻プロダクトのブランディングに特化したエージェンシー「Wick and Mortar」と提携し、広告キャンペーンのマネージメントにも乗り出した。
「この分野での当社のポジションを固めていきたい」とSegalは話した。