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2019.04.28

プラスチックフリーな空の旅 ポルトガルNPOが6億円超投資へ

(photo courtesy of Hi Fly)


プラスチックを他の物質で置き換える場合、航空機の積載重量が増えないよう気をつける必要がある。積載重量が増えれば、二酸化炭素の排出量に影響が出るのは明らかだからだ。ミルプリ博士のチームが現在開発中のポリマーも、機内で使用されるより耐久性のあるプラスチックの削減に貢献できるかもしれない。


(photo courtesy of Hi Fly)

ミルプリ財団がペットボトルに代わる解決策の研究開発に熱心に取り組む一方、ハイフライ航空はプラスチックを一掃する取り組みに他の航空会社を巻き込むことを目指している。同社は、この目標を達成する上で絶好の立場にいる。

ハイフライ航空は他の航空会社140社に航空機も供給しているため、プラスチックフリーのコンセプトを比較的楽に他社にも導入できるのではないかと考えている。ミルプリ博士は「複数の航空会社から既に、当社がどのようにプラスチックフリーを実現したかをより深く理解するためリスボンを訪問したいと依頼を受けた」と述べた。

ミルプリ博士は、航空業界が今後3~5年でプラスチックフリーになると予想している。デルタ航空も航空便から使い捨てプラスチックの排除を進めているし、アメリカン航空は年間約3万2000キログラムのプラスチック削減を見込んでいる。

プラスチックストローのような使い捨てプラスチックを禁止する動きが世界中で始まる一方、気候変動活動家のグレタ・トゥーンベリなど、炭素収支に合わせた二酸化炭素排出量削減を明確に確約する人もおり、飛行機で旅する人が減ることが明確に示されている。機内で使用する使い捨てプラスチックを排除することで、空の旅を続けるよう人々を説得できるだろうか?

「20~25%の航空会社がプラスチックフリーの便を提供するようになれば、乗客は全てがプラスチック包装されている航空会社とプラスチックフリーの航空会社のどちらかを選べるようになる」とミルプリ博士。「顧客に選択肢が与えられればそれが強い動機となり、他の航空会社もこの取り組みに従うことになるだろう」

翻訳・編集=出田静

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