Joyn Bioが遺伝子操作を加えた微生物は土壌の窒素バランスを改良し、小麦やトウモロコシ畑での化学肥料の使用を削減する効果がある。
化学肥料はこれまで、収穫量を増大させるための必須の手段とされてきた。しかし、化学肥料にはコストがかかり健康への影響も懸念される。さらに、過剰な化学肥料の使用が環境汚染を引き起こすこともある。
この問題を解決するためにJoyn Bioは設立された。同社はバイエルが持つ微生物のライブラリを活用し、Ginkgo Bioworksの合成DNAテクノロジーで新たな微生物を生み出そうとしている。
Joyn BioのCEOのMike Miilleは、「既存の化学肥料を置き換えるソリューションを生み出したい」と述べている。「どんな作物の生育にでも活用可能な、微生物を念頭に置いている。これが実現すれば、作物に対する化学薬品の散布をゼロにできる」
Joynは今から約18カ月に、親会社の2社から1億ドルの資金を調達して設立された。創業当初から、同社のチームは農業分野に役立つ微生物の開発を進めてきた。Miilleによると、今回のカリフォルニア州の施設でプロダクトのテストを開始するという。
研究拠点はカリフォルニア州のウッドランドの広大な敷地に開設され、実際の農場と同じ環境でテストが実施可能だ。Joyn Bioは5月か6月にテストの開始を予定している。
しかし、仮にテストが成功したとしても、市場に製品を送り出すまでには数年を要する。一部のプロダクトのリリースには3〜4年が必要で、5〜6年が必要になる場合もあるという。