パテック・フィリップの「定番」が新しい|バーゼル 2日目

パテックフィリップ カラトラバ ウィークリーカレンダー 5212A


4件目はクラシカルなデザインで人気のフレデリック・コンスタントへ。今年も予想通り、美しくクラシカルなモデルが複数ラインナップされていた。

なかでも惹かれたのは、ネイビーカラーで高貴な雰囲気を持った「マニュファクチュール スリムライン パワーリザーブ」であった。ダイヤル上には、ローマンインデックスとリーフ型の時分針に加え、10時位置にパワーリザーブ、6時位置に日付表示が置かれているが、それぞれが調和しておりとてもエレガントに仕上げられている。

動力は、自社開発の自動巻ムーブメント「Cal.FC-723」。ラ・ジュー・ペレ製である。ケース厚自体は薄型といえるほど薄くはないが、ケースバック側を絞り込むことで側面がスリムに見える。スーツやジャケットスタイルに、とても合う腕時計となっている。


フレデリック コンスタント マニュファクチュール スリムライン パワーリザーブ [自動巻き、SSケース、40mm径、42万円 問:フレデリック・コンスタント相談室 0570-03-1988]

次に訪問したパテック フィリップには、“新しい”といえるカラトラバがラインナップされていた。

その「カラトラバ ウィークリーカレンダー」は、確かにカラトラバなのだが、初見ではカラトラバとは理解できなかったほど新鮮だった。よく細部を確かめると、美しいラウンドフォルムや上品なドルフィン針など、カラトラバらしさ、気品が備わっていることがわかる。

“ウィークリーカレンダー”モデルなので、ダイヤル上はデイデイト、月表示に加え、週番号が表示されており、この情報量の多さに惑わされてしまったのかもしれない。

機能的には新ムーブメントが搭載されており、やはり週番号が表示される“ウィークリーカレンダー”が新しい。週番号とは、1年の最初から最後まで通し番号をつけたもので、年によって異なるが1から最大53までがふられるもの。日本ではあまり馴染みがないが、欧米では結構ポピュラーで、週番号でスケジュール管理することが一般に広まっているようである。


パテックフィリップ カラトラバ ウィークリーカレンダー 5212A [自動巻き、SSケース、40mm径、394万2000円 問:パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター 03-3255-8109]

2日目最後はショパールで、やはり例年通り「L.U.C」コレクションが充実していた。なかでも目についたのが「L.U.C XPS ツイストQF」。オフセットされたスモールセコンドが印象的なモデルである。

今年は新色が登場。サーキュラーサテン仕上げのブルーグレーダイヤルで、ケースはホワイトゴールド。このホワイトゴールドは、ショパールが2018年7月以降すべてのモデルで使用することを決めたエシカルゴールドである。これはゴールドの採掘に従事する労働者が健全な状態で働けているか、採掘の際に鉱山の環境が配慮されているかなど、倫理的な状況下で採られたゴールドであることを示すものだ。

さらに、このモデルの動力であるムーブメント「Cal.L.U.C 96-26-L」は、100%スイスメイドであること、スイスクロノメーター検定の認証済みであることを含む、精度や仕上げなど大きく5つの基準を満たさなければならない高水準の規格「カリテフルリエ」を取得している信頼の逸品。完璧な1本といえるだろう。


ショパール L.U.C XPS ツイストQF [自動巻き、18KWGケース、40mm径、価格未定 問:ショパール ジャパン プレス 03-5524-8922]

文=福留亮司

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