ビールの醸造には通常、オオムギ麦芽が用いられるがZambian Breweriesは2015年に、現地で広く栽培されるイモの一種、キャッサバを用いたビールを作り始めた。炭水化物が豊富なキャッサバは多くのアフリカ諸国で栽培されているが、ザンビアでは特に生産量が多い。
AB InBevはザンビアでイニシアチブを立ち上げたが、キャッサバを生産するのは小規模な農家が主で、彼らは帳簿をつける習慣がなく生産プロセスの管理の難しさに直面した。農家の多くは銀行口座を持たない点も課題だった。
その後、2018年にAB InBevは開発途上国の銀行口座を持たない人々を支援する、米ミネアポリスのブロックチェーン企業「BanQu」と連携し、新たな試みを始動した。銀行口座がないザンビアの農家の人々の多くも、携帯電話は持っており、モバイル経由で彼らの資金をデジタルで管理するのだ。
BanQuのプラットフォームで、Zambian Breweriesはキャッサバの流通を管理し、農家は作物の出荷と同時にデジタルの支払いを携帯電話で受け取れる。
「このシステムで、地方の小規模な農家に金融サービスへのアクセスを与えられた」とAB InBevのテクノロジー主任のTassilo Festeticsは話した。
AB InBevはこのプラットフォームをウガンダに拡大し、オオムギ麦芽などの新たな作物も、デジタルの支払い対象にした。