栄養豊富な春の恵み、「アーティチョーク」の魅力

市場にも採れたてのアーティチョークが並ぶ


アーティチョークには、妊活・妊娠中の摂取がすすめられている葉酸も多く含まれています。中世フランスでは、王侯貴族が「媚薬」として買い求めたと言われていますが、ある意味間違いないように思います(笑)。フランスに嫁いだメディチ家のカトリーヌ・ド・メディシスが初夜の日に食べ過ぎた、という逸話も残っています。

また歴史を調べてみると面白く、19世紀には、ニューヨークのイタリア系マフィアの資金源になっていたという話もありました。アーティチョークは、イタリア移民の食卓に不可欠な食材。そこに目をつけ、カリフォルニアで栽培され、貨物列車で運ばれてきたアーティチョークを買い占め、価格を上乗せして業者に売りさばき、大儲けした「アーティチョーク・キング」と呼ばれたマフィアもいたようです。



日本では馴染みが薄いですが、それは、江戸時代に日本に入ってくる際に、「朝鮮アザミ」という名前で、食用としてではなく観賞用として入って日本にやってきたから。それが今ではスーパーに並んでいることもあります。この時期はイタリア料理やフランス料理の店で使われていることも多いので、ぜひ春の恵みを楽しんでください。

ニース在住のシェフ松嶋啓介の「喰い改めよ!!」
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文=松嶋啓介

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