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ジャン=ポール・ゴルチエ。常識にとらわれず、どんな批判にも耳を貸さないアバンギャルドなファッションデザイナーだ。パンクの精神も持ち合わせ、ボンデージ・ファッションなども取り入れる。

マドンナや女優のロッシ・デ・パルマ、バーレスクの女王ディタ・フォン・ティース、ドラッグ・クイーンのコンチータ・ヴルストといったセレブリティたちにランウェイを歩かせることができるのは、ゴルチエ以外にいないだろう。2012年に担当したマドンナのワールドツアーの衣装は、世界的な話題になった。

「モード界のアンファン・テリブル」(恐るべき子供)と称されたこの天才的なデザイナーは昨年、40年以上にわたる自身のキャリアをミュージカルショーにした。それが2018年10月にで公演された「ファッション・フリーク・ショー」だ。3月5日から同劇場で再演されているこのショーを、あるメディアは「キャバレーとファッションショーを融合した新ジャンルのミュージカル」と評している。

ゴルチエは、この舞台だけのために十数着の新作衣装を制作。コルセット、マリンボーダー、マドンナも着けた円錐形のブラなど、自らのアイコン的な衣装も登場させている。

制作陣も豪華で、共同演出はトニー・マーシャル氏、舞台プロデューサーおよび音楽監督はナイル・ロジャース氏。ロジャース氏はこのミュージカルのために2つの楽曲を書き下ろした。ボグダノフ兄弟 、クリスティーナ・コーデュラらも映像で出演している。

ミュージカルは自伝的要素も濃く、授業中に絵を描いて先生に叱られた子供時代、ゴミ袋で衣装を作った初のショー、エイズで逝った恋人(ゴルチエは1990年、パートナーのフランシス・ムニュージュをエイズで失くしている)を描写する場面もある。

大女優カトリーヌ・ドヌーヴまで登場するこの豪華エンターテインメント、その世界ツアーも計画しているというゴルチエにインタビューした。

幼い頃に見たミュージックショーの「羽をつけた網タイツの女性」

──そもそも、あなたはなぜデザイナーを目指したのですか。

すべての始まりは、祖母マリーです。幼い頃、祖母はテレビをなかなか見せてくれませんでした。でもそのおかげで私は、テレビの中のエンターテインメントの代わりに、フォリー・ベルジェール劇場で繰り広げられたショーの美しさを知ることができました。ショーに感銘を受けた私は翌日、ショーで見た女性たちの絵を描いたんです。羽をつけた網タイツの女性の絵を、学校でね。先生には怒られましたが、クラスメートたちには大受けしたんですよ。

次に大きな感銘を受けたのは、ジャック・ベッケル監督の映画『偽れる装い』です。オートクチュールのデザイナーを主人公にした映画ですが、マルセル・ロシャスがデザインした衣装が、私の中のクリエイターの血を目覚めさせたんです。

18歳になる直前、私は大胆にも、自分が描いたスケッチをデザイナーたちに送りつけました。その中で唯一、ピエール・カルダンが、ポジティブな返事をくれたのです。今回のミュージカルは、デザイナーとしてのこうした出発点からブランドを作り上げるまでの道程に対する、いわばオマージュになっています。

文=Sabah Kemel Kaddouri 翻訳=竹若理衣 編集=石井節子

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