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──2018年1月のオートクチュールのファッションウィークでは、そのカルダンにオマージュを捧げていましたね。とはいえ、振り返ると、その「運命」ともいえる出会いがなくても、あなたはデザイナーになっていたのではないでしょうか。デザインは独学で身につけられたとか。

ええ、私はファッションを勉強したことはなく、雑誌が私の学校でした。でも、カルダン氏はすばらしい機会を私に与えてくれました。彼のもとで私が学んだのは、自由の概念です。

クリエイトする人間にとって、「自由」が不可欠な要素だということを教えてくれたカルダン氏には、心から感謝をしています、だから今回、ランウェイでオマージュを捧げたんです。


(c)laurent Seroussi(Forbes France提供)

──才能があって、オートクチュールに挑戦したいと思うデザイナーに求めるものは何ですか。

私にとってオートクチュールは夢であり、まぎれもなくデザイナーとしての情熱の源でした。ですが今は、有名になるための手段としてファッションのキャリアを利用するケースがみられます。名声を得ることを、ファンションの仕事をする喜びよりも優先するのは、私が考える「成功」ではありません。

とりわけオートクチュールの世界では、何よりもファッションへの愛と情熱が必要だと考えています。挑戦したいというデザイナーに一心に求めたいのは、情熱。ただそれだけです。

──女性デザイナーで、お気に入りの人や注目している人はいますか。

私の好きなデザイナーは、日本のブランド「コム・デ・ギャルソン」の川久保玲です。他にもジバンシィのクレア・ワイト・ケラー、クロエのナターシャ・ラムゼイ=レヴィのように、才能も存在感も抜群のデザイナーがいますね。

オートクチュールは「研究所」

──2015年春夏を最後にプレタポルテから撤退し、現在はオートクチュールのみを手がけています。オートクチュールのショーでは、「最低20人以上の職人による手作業」が義務づけられるなど、厳しい決まりがいくつもありますよね。それを秋冬・春夏の年2回、25人前後のモデル分、用意しなければならないのは大変なことだと思います。

オートクチュールは、カットやドレープを探求しつづける、いわば「研究所」だと思います。毎シーズン、オートクチュールでは、私が創造したものを自由に表現できていますし、想像力をさらに広げてもくれます。クチュリエのあらゆる才能を、この独自の技術で形にして残すことは、いわば芸術だとも言えるでしょう。

文=Sabah Kemel Kaddouri 翻訳=竹若理衣 編集=石井節子

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