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2019.05.01

「酔った勢い」のネットショッピング、米経済に数十億ドルの効果

Virales / shutterstock.com

オンラインショッピングについての調査は、山のように存在する。しかし、これまで見過ごされてきたことのひとつに、「人は酔っているときにどのくらい買い物をするか」というポイントがある。

今の時代、自宅のソファに座ってボタンをひとつクリックするだけで、高額な商品を買うことができる。

ほとんどの人が一度や二度は、酒に酔った勢いで買い物をした経験があるだろう。ワインやビールを数杯飲んで帰宅し、ノートパソコンを取り出して買い物をしたのだが、翌朝にはその記憶がほとんどない、というような経験だ。

ミレニアル世代向けメールマガジン「ザ・ハッスル(The Hustle)」 は2019年3月、普段からアルコールを飲むアメリカの購読者2174人を対象に調査を行い、主な傾向を探った。

その結果、調査対象者の79%が、これまで少なくとも一度は、酔った勢いでオンラインショッピングをした経験があることがわかった。

そして、酔っ払った状態で買い物したという人の年間平均購入額は444ドルだった(ただし、回答者はアメリカの全人口を代表する人たちではなく、平均年収は9万2000ドル、日本円で約1000万円と、全米平均年収の2倍以上である点に留意してほしい)。

酔った勢いによるショッピングは、年間で数十億ドルをアメリカ経済にもたらすと「ザ・ハッスル」は推定している。

買い物先として最も多いプラットフォームはAmazonで、お酒と買い物が好きなザ・ハッスル購読者の85%が利用していた。それにオークションサイト「eBay」(21%)と、ハンドメイドフリマ「Etsy」 (12%)が続く。

酔っているときに購入するアイテムのトップは洋服と靴で、2位は映画とゲームだ。

調査ではさらに、お酒を飲んだときに買い物をしてしまう傾向は、男性(78%)より女性(80%)のほうが少し強いことも明らかになった。女性のほうが一般的に買い物好きで、とりわけネットショッピングを好むことから、それは当然の結果だと言える。

以下は、お酒を飲んだ際のオンラインショッピング年間購入額を、列挙したものだ。それを見ると、アメリカ南東部が目立って購入額が多いことがすぐわかる。

年間購入額が最も多かったのはケンタッキー州(742ドル)で、続くコネチカット州も700ドルを超えていた 。

飲酒時のオンラインショッピング年間平均購入額の州別分布(2019年)

700ドル以上:ケンタッキー州、コネチカット州
600~699ドル:ニュージャージー州、メリーランド州、サウスカロライナ州、アラバマ州、アイオワ州
500~599ドル:カリフォルニア州、バージニア州、ミシシッピ州、ジョージア州、フロリダ州
400~499ドル:マサチューセッツ州、ニューヨーク州、ペンシルベニア州、テキサス州、ワシントン州など
300~399ドル:ノースカロライナ州、オハイオ州、ミシガン州、ネブラスカ州、コロラド州
200~299ドル:インディアナ州、ミネソタ州、サウスダコタ州、ミズーリ州、カンザス州など
200ドル以下:モンタナ州
データなし:デラウェア州、ウェストバージニア州、ノースダコタ州、ニューメキシコ州など

普段から飲酒する「ハッスル」読者2174人を対象。うち、79%が、飲酒後にオンラインショッピングをした経験があると回答。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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