相手との関係を悪化させずに「ノー」と言う方法

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時間がない時に、上司から何かを頼まれたことがある人は多いだろう。書籍『Who’s in Your Room? The Secret to Creating Your Best Life(あなたの部屋にいるのは誰? 最高の人生を作る秘密)』の著者アイバン・マイズナーは私に、上手に「ノー」と言う素晴らしい方法を教えてくれた。

マイズナーは前回の記事で、人はなぜ「ノー」と言えないのか、そして丁重に依頼を断るためのヒントについて語った。今回の記事で私は、特に職場で「ノー」と言うにどうすればいいかをマイズナーに尋ねた。その方法はどんなものなのか。そして、状況によってやり方を変えたほうがいい場合もあるのだろうか。

──職場の上司にどうやって「ノー」と言えばいいでしょう?

マイズナー 2つアプローチがある。一般的に、仕事に関しては上司に決して「ノー」と言うべきではなく、代案を提示するべきだ。「私はこのタスクに最適な人物ではありません」などと伝え、適任かもしれない人を提案しよう。

また、その人とあなたが協力して仕事を進めてもよいか尋ねてもいい。肝心なのは、上司はあるタスクを終わらせたいのだということ。それを終わらせる別の方法を提案すれば、自分のためにも、上司のためにもなる。上司にただ「ノー」と言うのは良くない。解決法に焦点を当てること。

2つ目のアプローチは、本当に時間がない時のためのもので、自分が追加のプロジェクトを与えられたらどうなるのかを上司に理解させること。この作戦も、許容可能な解決策について交渉するという点では同じだが、重点は上司に優先順位を理解してもらうことにある。上司に自分の優先事項を説明し、そのタスクをうまくこなす上での障害を分かってもらう。

当然、1つ目のアプローチの方が、上司とあなた双方の問題を解決できるという点で好ましい。だが、この方法が適切でない時は、自分が抱えている仕事と優先事項を上司に示すことで、状況を分かってもらえることもある。

──断り方はコミュニケーションの方法によって変えるべきでしょうか? 例えば、メール、電話、または対面で断る時、「ノー」の言い方は変わりますか?

マイズナー その通り。難しいことはなんであれ、電話か対面で行うべき。メールでは人間味が伝わらず、冷淡な印象を与えてしまう。

──ではメールでは決して「ノー」は言わないと?

マイズナー 失職したくないならメールで「ノー」は言わないこと! メールでは、実際の会話と同じようには意味が伝わらない。伝えるのが難しいこと、物議をかもしそうなことは何でも、直接対面、あるいは少なくとも電話で行うべき。
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編集=遠藤宗生

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