自分らしさなんてわからない。それでも愛されまくるkemioの「病む力」

kemio(写真=小田駿一)




人生なんて悩みごと工場。毎日いろいろありすぎるからこそハッピー大事

ここからは、「23歳のクソガキ」の意見だと思って聴いてほしいんですけど(笑)、生きていると、考えなくちゃいけないことが次から次へとわんこそばみたいにやってくるじゃないですか。大事なことについて考えるだけでも、時間がぜんぜん足りない。

だから僕はヘイターとかアンチにやるエサなんて一秒もないと思ってるんだけど、この間ユーチューブのコメントでちょっと頭にきちゃうことがありました。「いつもヘラヘラしてていいよね」「こんな子たちが日本の将来を背負うと思うと大変だ」と、僕より年配の方から言われて、さすがにこれはないと思った。

さっき言ったように、みんな同じように毎日いろいろありすぎるからこそ、楽しくなれることを探しているわけじゃないですか。世代ごとに課題は違っても、いろいろあるのは同じこと。それを楽しそうな部分だけをキャプションして「将来が心配」だなんて、本当にナンセンスだと思いました。どうしてリスペクトし合えないんだろう、って。

僕が憧れている海外セレブとかも、もしかしたら同じかもしれない。ものすごく華やかで何も考えていないように見えても、パリス・ヒルトンには彼女にしかわからない悩みや痛みがあるのかもしれないって思えたから、自分のやっていないことをやっている人に対しては、とりあえず絶対尊敬。リスペクト投げようって決めたんです。

いまは毎日が本当に楽しい。僕、将来の大きな目標とか野望とかより、「アメリカの人気トークショー『エレンの部屋』に出たい」とか「『MET GALA』に行きたい」とか、細かい夢がたくさんあるんです。クリスマスの欲しいものリストみたいな感じで、頭の中にでっかい靴下があるの。これからもアメリカを拠点に、それを叶えていけたら。僕なりのかたちで何かを発信する電波塔は一生やっていきたいですね。

「幸せになる」って言っちゃうと、「幸せでいなきゃ」「幸せになりたい」っていう幸せじゃない状態になっちゃうので、これからも大好きな豆腐とかいっぱい食べて健康に、幸せを“感じながら”生きていきたいなと思ってます。

構成=松崎美和子 写真=小田駿一

タグ:

連載

才能の見つけ方

ForbesBrandVoice

人気記事